投資を始めなかった10年の差は110万円|毎月3万円積立でわかる現実

投資初心者のための資産形成入門

「投資、そのうち始めよう」

そう思いながら、何年が過ぎましたか?

私自身、20代のほぼ全てをその一言で流してしまいました。投資歴18年の今になって思うのは、「あの10年があったら、もう少し選択肢が広がっていたかもしれない」ということです。

でも、後悔話をしたいわけではありません。伝えたいのは「数字として、10年の差がどれくらい生まれるのか」という、ちょっと具体的な話です。

投資をしなかった10年間、正直なところ後悔しています

私が投資を始めたのは30代の半ばでした。きっかけは特別なことではなく、たまたま読んだ雑誌の記事です。そこに書いてあった「複利の力は時間で決まる」という一文が頭に刺さりました。

それまでの私は「投資はリスクがあるもの」「難しそう」「まとまったお金ができてから」と、ずっと先送りしていました。もっと早く始めていれば、と今でも少し思います。ただ、後悔を語るだけでは何も変わりません。だから今日は、数字として「10年の差」を一緒に見てもらいたいのです。

10年の差は、数字でどれくらいになるの?

シミュレーション:毎月3万円を10年間積み立てたら

まずは、シンプルな比較から見てみましょう。

前提として、毎月3万円を10年間(合計360万円)積み立てたとします。

パターン10年後の資産額積立元本との差
銀行預金(利率ほぼ0%)360万円±0円
インデックス投資(年利5%想定)約470万円+約110万円

年率5%というのは、世界の株式市場の長期的な平均リターンとして、よく使われる数字です。決して夢のような数字ではなく、「過去の実績から見た、ある程度現実的な想定」です。

預金と比べたとき、同じ360万円を積み立てても、10年後に約110万円の差が生まれます。これは「利益」というよりも、投資をしなかったことで失った「機会費用」と呼ぶべき金額です。

機会費用とは、ある選択をすることで、別の選択をした場合に得られたはずの利益のことです。「預金を選んだことで失った運用益」が、まさに機会費用です。

利回りが高いとどうなる?S&P500ケース

過去10年間、米国の代表的な株価指数であるS&P500は、年平均10%を超えるパフォーマンスを見せてきました。将来の保証はできませんが、もし年率10%で運用できていた場合を試算すると、10年後の資産は約620万円ほどになります。

想定利回り10年後の資産額預金との差
0%(預金)360万円
年率5%(平均的な想定)約470万円+約110万円
年率10%(S&P500 過去実績参考)約620万円+約260万円

毎月3万円の積立で、これだけの差が生まれます。もちろん、これは過去のデータを参考にした試算であり、将来を保証するものではありません。でも「時間をかけて、分散して積み立てる」という方法が、長期的に力を発揮してきた事実は変わりません。

投資しなかった10年間で失う「3つのチャンス」

チャンス①:複利の雪だるま効果

「複利」という言葉を聞いたことがあると思います。簡単に言うと、「増えたお金がさらに増える」という仕組みです。

たとえば、100万円を年5%で運用すると、1年後には105万円になります。次の年は105万円に対して5%がつくので、5万2,500円増えて107万2,500円に。最初の年より2,500円多い。この差は年を重ねるほどどんどん大きくなります。

複利の面白いところは、「時間が長いほど効果が加速する」こと。10年先延ばしにするということは、その加速期間を丸ごと捨ててしまうことと同じです。

チャンス②:インフレに黙って負け続ける現実

「投資はリスクがある。預金なら安全」という考え方は、半分正解で半分間違いです。

物価が上がること(インフレ)は、お金の価値が下がることを意味します。10年前と今を比べると、食料品や光熱費などの物価は目に見えて上がっています。銀行に預けたままのお金は、数字の上では減っていなくても、「買える量」はじわじわと減っているのです。

現金を持ち続けることも、実は「静かなリスク」を取っていると言えます。投資をしないという選択も、選択のひとつであり、リスクのないゼロではありません。

チャンス③:長期保有という「安全圏」を手放している

「投資はいつ下がるかわからないから怖い」という気持ちはよくわかります。私も最初はそう思っていました。

ただ、金融庁の分析データによると、国内外の資産に分散して積立投資を行った場合、保有期間が5年では元本割れのケースもありましたが、20年では元本割れの頻度がゼロというデータがあります。

つまり、「長く保有するほどリスクが下がる」という特性が、分散積立投資にはあります。投資をしなかった10年間は、その安全圏に入るための「助走期間」を失っていることでもあります。

では、今から始めたらどうなるの?

「最も遅いスタート」は今日ではなく、明日

10年前に始めればよかった、という話をしてきましたが、一番伝えたいのはここからです。

10年先延ばしにしてしまっても、20年・30年という視点で見たとき、「今日始めること」の意味はまだ十分にあります。今日が、残りの人生の中で一番若い日です。

私は50代になっても、新たな投資先を検討し、少しずつ運用の幅を広げています。「Die with Zero」という考え方が好きで、お金はただ貯めるものではなく、人生の質(QOL)を上げるために使いながら増やすものだと思っています。だから、遅く始めたことへの後悔よりも、「今から何ができるか」に目を向けるほうが、ずっと建設的だと感じています。

新NISAを使えば、始めるハードルはかなり下がっている

2024年から始まった新NISAは、運用益が非課税になる制度です。以前と比べて、年間の投資枠も大幅に拡大されました。

月1,000円からでも始められる積立投資信託を新NISAで活用すれば、税金を気にせず長期運用ができます。証券口座の開設もスマートフォンで完結できる時代です。

「まずは少額で、インデックスファンドを積み立てるだけ」。それだけで、投資家としての時間が動き始めます。

まとめ:10年の差は大きいけれど、今日が一番若い日

今日の記事で伝えたかったことを整理します。

① 毎月3万円を10年積み立てるだけで、預金との差は約110万円以上になる可能性がある

② 複利・インフレ・長期保有の安全圏という3つのチャンスを、先延ばしするほど失い続ける

③ 今日始めることが、残りの人生で最も早いスタートである

④ 新NISAを活用した少額・長期・分散の積立投資は、普通の会社員でも実践できる

投資は「早く始めた人が勝つゲーム」というよりも、「始めた人だけが参加できるゲーム」だと思っています。

ルールは難しくありません。まずは少額から、インデックスファンドを積み立てる。それだけでいいんです。

「そのうち始めよう」という気持ちは、私にもありました。でもあの日、一歩踏み出したことが、今の自分の選択肢を広げてくれています。あなたの「今日」も、きっとそうなると思います。

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