暗号資産投信が証券口座で買える時代へ!ビットコインも対象──2028年解禁で何が変わる?【SBI証券・楽天証券】

投資初心者のための資産形成入門

2025年5月16日、SBI証券と楽天証券が暗号資産(仮想通貨)を組み入れた投資信託の販売を決定したとの報道がありました。さらに野村・大和・SMBC日興など大手証券11社も制度が整い次第、販売を検討する方針を示しています。

暗号資産投信をSBI・楽天が販売へ、28年解禁へ野村らも検討──日経(NADA NEWS) – Yahoo!ニュース
金融庁が解禁に向けて法整備を進める暗号資産(仮想通貨)を組み入れた投資信託について、SBI証券および楽天証券が販売する方針だと16日、日経新聞が報じた。同紙が国内主要証券18社へ実施した聞き取

「ビットコインってなんだか怖い…」

「仮想通貨は詐欺が多そう…」

そう思っている投資初心者の方も多いのではないでしょうか。でも、今回のニュースはそんな状況を大きく変えるかもしれない、歴史的な一歩なんです。

日経新聞が国内主要証券18社に聞き取り調査を実施したところ、SBI証券・楽天証券の2社が販売方針を明確に表明。さらに野村証券・大和証券・SMBC日興証券・みずほ・三菱UFJモルガン・スタンレー・松井証券・マネックス証券・三菱UFJ eスマート証券・岡三証券・東海東京証券・岩井コスモ証券の11社が販売を前向きに検討していることが明らかになりました。

この背景には、金融庁が2028年をめどに暗号資産を投資信託の投資対象として認める「投資信託法施行令の改正」を進めているという大きな政策転換があります。つまり、2028年には日本でも証券口座からビットコインなどの暗号資産に投資できる時代が来るかもしれないのです。

これまで仮想通貨に投資するには、専用の取引所に口座を作り、ウォレット(電子財布)を管理するという手間がかかっていました。投資信託やETFなら、普段使っているSBI証券や楽天証券の口座からそのまま購入できます。投資の間口が劇的に広がる大きな転換点です。

そもそも「暗号資産投資信託・ETF」って何?基礎からわかりやすく解説

「投資信託」「ETF」「暗号資産」──それぞれは聞いたことがあっても、組み合わさると途端に難しく感じますよね。ここでは一つひとつ丁寧に説明します。

投資信託とは?

投資信託とは、多くの投資家からお金を集めて、専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに分散して運用する金融商品です。1万円程度の少額から始められ、証券会社や銀行の口座から購入できます。初心者向けの積立NISA商品も、ほとんどが投資信託です。

ETFとは?

ETF(Exchange Traded Fund)は「上場投資信託」とも呼ばれ、投資信託の仲間ですが、株式と同様に証券取引所に上場されており、リアルタイムで売買できる点が特徴です。金(ゴールド)のETFや日経平均に連動するETFなどが代表例です。

暗号資産(仮想通貨)とは?

ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、XRP(リップル)などのデジタル通貨のことです。ブロックチェーンという技術を使って運営されており、銀行などの中央機関を介さずに取引ができます。一方で価格変動が激しく、ハッキングリスクや詐欺なども存在します。

「暗号資産投資信託」=この3つを組み合わせたもの

「ビットコインを直接買う代わりに、プロが管理してくれる投資信託のパッケージを通して間接的に持つ」というイメージです。自分でウォレットを管理する必要がなく、普段の証券口座でそのまま購入できます。ちょうど「金の延べ棒を自分で保管する」代わりに「金ETFを証券口座で買う」のと同じ感覚です。

SBIグループが計画しているのは、ビットコインやイーサリアムなどの流動性が高い暗号資産を組み入れたETFや投資信託です。また、金(ゴールド)ETFに過半を投資しつつ暗号資産ETFを組み合わせる複合型の商品も検討されています。楽天証券は、スマホアプリで手軽に売買できる仕組みを視野に入れているとのことです。

世界では?米国での状況

実は世界に目を向けると、ビットコイン現物ETFはすでに普及しています。米国では2024年1月に米国証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物ETFを承認し、同年7月にはイーサリアムETFも開始しました。香港でも同様のETFが上場するなど、世界的に導入が広がっています。日本は制度整備において後発となりますが、その分しっかりとした投資家保護の枠組みができることが期待されます。

証券口座で買えるメリットと税制改正──投資家にとってどう嬉しいの?

今回のニュースが投資初心者にとって「朗報」である理由を、具体的にみていきましょう。

メリット① 普段の証券口座で手軽に買える

これまで暗号資産に投資するには、専用の暗号資産取引所に口座を開設し、本人確認や入金手続きを経たうえで、ウォレット(電子財布)の管理まで自分で行う必要がありました。セキュリティ管理の知識も求められ、初心者には高いハードルでした。

投資信託・ETFとして購入できれば、すでにお持ちのSBI証券や楽天証券の口座から、株や投資信託を買う感覚でそのまま購入できます。スマホアプリ数タップで完結する時代が来るかもしれません。

メリット② 安全に取引できる

暗号資産取引所のハッキング事件や、ウォレットの秘密鍵を紛失して資産を失う事例は後を絶ちません。投資信託・ETFを通じた投資なら、資産の保管は金融機関が責任を持って行います。取引所の不正流出対策も、今回の金商法改正によって強化される予定です。

メリット③ 税制が大幅改善される見込み!

これが今回の最大の朗報かもしれません。現在、ビットコインなどの売却益は「雑所得」として最大55%の税率が課されています。これは給与などの所得と合算して課税される「総合課税」であるため、年収が高い人ほど税負担が重くなります。

2026年度税制改正大綱では、暗号資産による所得を株式・投資信託と同様に一律20%の申告分離課税とする方針が明記されました。これが2028年から施行される見通しです。55%から20%への大幅な引き下げは、投資家にとって文字通り「ゲームチェンジャー」です。仮に100万円の利益が出た場合、現在の最高税率では55万円の税金がかかっていたのが、改正後は20万円で済むようになります(住民税含む概算)。

メリット④ 長期・機関投資家の資金が流入しやすくなる

投資信託・ETFとして制度が整備されることで、年金基金や保険会社などの機関投資家も規制の枠組みをクリアした形で暗号資産クラスに投資できるようになります。大きな長期資金の流入は、市場の安定化と流動性の向上につながることが期待されます。

見落としがちなデメリットと注意点──初心者が知っておくべきこと

良いことばかりに見える暗号資産投資信託ですが、しっかりと理解しておくべきデメリットや注意点もあります。冷静に把握しておきましょう。

デメリット① 「暗号資産の哲学」を体験できない

ビットコインが生まれた背景には「銀行などの中央集権的な機関に頼らず、個人が資産を自己管理できる」という哲学がありました。ブロックチェーン上に分散して記録される資産を自分のウォレットで保有することで、真の意味での「自分の資産」になるのです。

投資信託・ETFを通じて購入する場合、実際の暗号資産を保有するのは金融機関であり、あなたは「暗号資産に連動する金融商品」を持つことになります。これは暗号資産の根本的な価値である「分散・自己管理」とは異なります。暗号資産の理念に共感して投資したい方は、直接購入も選択肢として残しておく価値があります。

デメリット② 信託報酬(手数料)がかかる

投資信託・ETFには、運用会社に支払う「信託報酬」(管理費用)が毎年かかります。これは保有している間ずっと発生する費用です。米国のビットコインETFでは年率0.2〜1.5%程度の信託報酬が設定されています。日本の暗号資産投資信託でも同程度か、それ以上の費用がかかる可能性があります。長期保有すると累積コストが無視できない水準になることがあるため、購入前に必ず信託報酬を確認してください。直接現物を保有する場合にはこうしたコストはかかりません。

デメリット③ 値動きリスクは現物と変わらない

「投資信託になれば安全で安定している」と思っている方もいるかもしれませんが、それは大きな誤解です。ビットコインの投資信託やETFは、ビットコインの価格に連動して動きます。ビットコインの価格が半分に下がれば、投資信託の価格も同様に下がります。暗号資産は非常に価格変動が大きい資産クラスです。短期間で50〜80%の下落が起きたこともある歴史があります。「証券口座で買えるから安全」ではなく、「中身は暗号資産であることに変わりはない」という認識を常に持っておく必要があります。

暗号資産への投資は、株式や債券のインデックスファンドと比べてリスクが格段に高い投資です。「余裕資金の一部」として、ポートフォリオ全体の5〜10%程度にとどめるのが一般的な考え方です。生活費や緊急時の資金を投資に回すことは避けましょう。

2028年に向けたロードマップと、日本の暗号資産市場の未来

今回のニュースは単なる「新商品が出る」という話ではありません。日本の金融・暗号資産市場の大きな構造変化の入り口です。これからのスケジュールを整理してみましょう。

制度整備のスケジュール

  • 2025年(現在):金融商品取引法(金商法)改正案が国会に提出済み。大手証券各社が商品開発に向けた準備を開始。SBIホールディングスはすでにビットコイン・XRP ETFの組成計画を公表。
  • 2026年:金商法改正案が成立見込み。暗号資産が金融商品として正式に位置づけられる。金融庁がガイドラインの骨子を発表予定。
  • 2027年:金商法改正の施行予定。暗号資産ETFの取引所不正流出対策なども強化される。
  • 2028年1月(目標):投資信託法施行令の改正が完了し、暗号資産ETF・投資信託が正式解禁。申告分離課税(20%)も同時施行。証券口座でのビットコイン等への投資が可能に。

なぜ投信・ETFと税制改正を同時に進めるのか?

金融庁が投資信託・ETF解禁と税制改正を同時に進めようとしているのには、重要な理由があります。もし投資信託・ETFだけが先行して解禁され、ETFに20%の税率が適用される一方で現物取引には最大55%の税率が残ってしまうと、あまりにも不公平な状況が生まれます。個人投資家の資金がETFに一方的に集中し、現物市場が取り残される恐れもあります。制度と税制を一体的に整備することが、市場の健全な発展に欠かせないのです。

日本の暗号資産市場が変わるきっかけに

日本はかつて世界最大の仮想通貨取引国でしたが、2018年のコインチェック事件などを経て、規制強化と同時に市場が縮小した経緯があります。しかし今回の一連の制度整備は、「投資家保護」と「市場活性化」を両立させる重要な転換点になり得ます。投資信託・ETFという使い慣れた形で暗号資産に触れることで、「怖くて手を出せなかった」という層の方々にも、暗号資産市場への参加の機会が生まれます。

米国では2024年のビットコイン現物ETF承認後、機関投資家の保有量が急増しています。米銀大手26行中12行が2024年9月末時点でビットコイン現物ETFを保有しており、その総額は3倍以上に増加しました。日本も制度整備が整えば、同様の市場拡大が期待できます。

2028年までの間、投資初心者はどうすればいい?

  • まずは証券口座(SBI・楽天など)を開設して、株式や投資信託の仕組みに慣れておく
  • 暗号資産に興味があれば、少額(数千〜1万円程度)から国内取引所(コインチェック、GMOコインなど)で試してみる
  • 暗号資産投信・ETF解禁後の商品情報を定期的にチェックして、信託報酬を比較する
  • 全体の資産に占める暗号資産の割合は5〜10%程度に抑えるのが基本
  • 税制改正の最新情報を追う(2028年の確定申告から新ルールが適用される予定)

まとめ:日本の暗号資産投資が新時代へ

今回のニュースは、SBI証券・楽天証券をはじめとする主要証券会社が暗号資産投資信託の販売を決定・検討しているという、日本の投資市場にとって歴史的な転換点を告げるものです。

最大のポイントは「証券口座で簡単に買えるようになること」と「税率が最大55%から20%に大幅改善される見込みであること」の2点です。これまで専門知識や複雑な手続きが必要だった暗号資産投資が、普通の株式投資と同じ感覚で行えるようになります。

一方で忘れてはいけないのが、中身は暗号資産であるため価格変動リスクは現物と変わらないこと、そして信託報酬(手数料)が毎年かかるということです。「使いやすくなった=安全になった」ではありません。

また、ビットコイン本来の「中央集権に頼らない自己管理」という理念を大切にしたい方には、現物購入という選択肢も引き続き意味を持ちます。2028年の解禁に向けて制度整備は着実に進んでいます。このニュースを機に、暗号資産・ブロックチェーン技術への関心が日本でも広まり、より多くの人が自分に合った形で資産形成に参加できる未来が来ることを、私も楽しみにしています!


※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。

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