【2026年最新】株高の今こそ債券に注目!投資初心者がいま見直すべきアセットアロケーションの基本

投資初心者のための資産形成入門

日経平均が史上最高値を更新中、その裏で起きている「静かな変化」とは?

2026年に入ってから、日本株市場はまさに歴史的な強さを見せています。日経平均株価は2026年6月にかけて最高値の更新を繰り返し、一時7万2000円台まで上昇する場面もありました。わずか半年ほどで5万円台から7万円台へと駆け上がるという、近年ではなかなか見られない大相場です。

そんな「株高」の真っ只中に、2026年6月30日付の日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」に、興味深い指摘が掲載されました。タイトルは「株高の今こそ債券の出番」。執筆したピクテ・ジャパンのシニア・フェロー、大槻奈那氏は、個人マネーが少しずつ債券などのインカム商品へ向かい始めていると紹介しています。

株高の今こそ債券の出番 – 日本経済新聞
最近、個人マネーが債券等のインカム商品へ向かい始めている。5月の個人向け国債の販売額は現在の発行体制となってから最高を記録した。預金も3月末時点で1億円以上の個人口座の定期預金残高が大きく増え、2001年以来初めて5兆円を超えた。個人向け社…

具体的には、個人向け国債の販売額が直近で過去最高を記録したこと、1億円以上の預金を持つ富裕層の定期預金残高が大きく増えていること、利率約3%の劣後債のような個人向け社債にも需要が広がっていることなどが取り上げられました。さらにコラムでは、英国の個人貯蓄口座(ISA)や米国の退職勘定のように、海外では株式と債券をバランスよく組み合わせる投資が当たり前になっている一方、日本のNISAでは債券に投資できないという制度的な課題にも触れています。

「株が好調なのに、なぜ今あえて債券の話をするのか?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。実はこの問いの答えにこそ、投資初心者がぜひ知っておきたい「アセットアロケーション」という考え方の本質が隠れています。今回はこのニュースを入り口に、投資の土台となる株式と債券のバランスについて、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

そもそも「アセットアロケーション」って何?投資の9割を決めるとも言われる超重要な考え方

「アセットアロケーション」とは日本語で「資産配分」のこと。自分の持っている資産を、株式・債券・不動産・現金など、どの資産クラスにどれくらいの割合で振り分けるかを決めることを指します。

投資の世界では、「どの個別銘柄を買うか」よりも、この資産配分の方がずっと重要だと言われています。長期的な運用成績の9割近くは、銘柄選びやタイミングの巧拙ではなく、そもそもどんな資産クラスにどれだけの比率で投資しているかというアセットアロケーションによって決まるという考え方が、機関投資家の世界でも広く共有されているのです。

中でも特に重要なのが、株式と債券のバランスです。それぞれの特徴を簡単に整理してみましょう。

  • 株式:企業の成長とともに資産が大きく増える可能性がある一方、値動きが激しく、暴落時には資産が大きく目減りすることも珍しくありません。いわば「攻め」の資産です。
  • 債券:満期まで保有すれば、発行体が破綻しない限り元本と利子の受け取りが約束されているため、値動きが穏やかで「資産を守る」役割を果たします。いわば「守り」の資産です。

この2つは一般的に、株式が下落する局面では債券に資金が逃避しやすい(=値動きの方向が逆になりやすい)という性質を持っています。両方を組み合わせて保有することで、資産全体の値動きをマイルドにし、暴落時のダメージを和らげる効果が期待できるのです。これを「分散投資」と呼びます。

💡株式クラスと債券クラスを使った分散投資に関しては、次のブログ記事で詳しく解説しています!
あなたはどれくらいのリスクを取れる?リスク許容度の自己診断

なぜ「株高の今」こそ債券に目を向けるべきなのか

ここで気になるのが、「株式市場が絶好調な今、わざわざ債券を組み入れる必要があるのか?」という疑問です。

実際、足元の日本株市場は記録的な強さです。日経平均株価は2026年6月22日に年初来高値となる7万2800円台をつけたほか、月中には1日で3000円を超える上げ幅を記録する場面もあるなど、海外投資家の旺盛な買いやAI・半導体関連企業の好決算を背景に、まさに「株高」を体感する展開が続いています。

このような相場では、ついつい「もっと株式に投資すればよかった」「次もまだまだ上がるはず」と強気になりがちです。しかし、コラムの筆者が指摘するように、空前の株高が続く局面では、知らず知らずのうちに個人の資産ポートフォリオが株式に偏ってしまっているケースが少なくありません。たとえ最初は「株式50%・債券50%」という配分で投資を始めたつもりでも、株価が大きく上昇すれば、何も売買しなくても株式の比率は自然とどんどん高くなっていくのです。

ここで重要になるのが「リバランス」という考え方です。リバランスとは、相場の変動で崩れてしまった資産配分の比率を、定期的に元の目標比率へ戻す作業のこと。値上がりして膨らんだ株式の一部を売り、債券などほかの資産に振り向けることで、知らないうちにリスクを取りすぎている状態を解消できます。

また、リスク分散のつもりで欧米株を組み入れていても、世界の株式市場は連動性が高く、世界同時株安のような局面が来れば、思ったほどの緩衝効果は得られないことがあります。だからこそ、株式とは異なる値動きをする債券をポートフォリオに組み込むことが、「資産を増やす」だけでなく「資産を守る」視点として欠かせません。好景気のときこそ浮かれず、自分のリスク許容度に見合った株式・債券バランスになっているかを見直す、絶好のタイミングと言えるでしょう。

💡株式クラスと債券クラスのバランスについては次のブログ記事で詳しく解説しています!
株式と債券の最適比率は?リスクとリターンのバランス術

個人向け国債とは?初心者にもわかりやすく解説+海外との比較

「債券といっても、初心者は何を買えばいいの?」と思う方には、まず個人向け国債が手に取りやすい選択肢になります。個人向け国債とは、日本国が発行し、個人だけが購入できる国債のことです。最大の特徴は、1万円という少額から購入できる手軽さと、国が発行体であるため信用度が非常に高く、実質的に元本割れのリスクがほとんどない点にあります。

個人向け国債には「固定3年」「固定5年」「変動10年」の3種類があり、固定タイプは満期まで金利が変わらない一方、変動10年は半年ごとに適用金利が見直される仕組みです。気になる金利水準ですが、2026年5月募集分では固定3年が年1.57%、固定5年が年1.89%、変動10年が年1.67%と、現行の計算方式が始まって以来の過去最高水準になりました。2024年初めまでは0.1〜0.2%台というほぼゼロ金利だったことを考えると、ここ数年で金利環境が大きく様変わりしたことがわかります。こうした金利上昇を背景に、2025年度(2025年4月〜2026年3月発行分)の個人向け国債の発行額は6兆円を超え、19年ぶりの高水準となりました。

なお、個人向け国債は発行から1年間は原則として中途換金できない点には注意が必要です。とはいえ、それを補って余りある安心感があるため、退職金の置き場所や、生活防衛資金以外の「守りの資産」として人気が広がっています。

実はこうした「株式と債券をバランスよく持つ」という発想は、海外ではすでに当たり前のものになっています。例えば英国の個人貯蓄口座「ISA」では、株式だけでなく国債や社債、債券ファンドへの分散投資が幅広く行われています。また米国でも、401(k)などの退職勘定を通じて、株式と債券を組み合わせたバランス運用が一般的です。年齢が上がるにつれて自動的に債券の比率を高めていく商品も広く普及しており、資産形成における株式・債券の分散が文化として根付いているのです。

💡 個人向け国債に関しては、次のブログ記事で詳しく解説しています!
投資初心者必見!金利上昇時代に個人向け国債を検討すべき理由

NISAでは債券が買えない現実と、今後の制度改正への期待

ここで投資初心者の方にぜひ知っておいていただきたい、やや残念な事実があります。それは、現在のNISA(少額投資非課税制度)では、個人向け国債などの債券に直接投資することができないという点です。NISAの対象となるのは上場株式や株式投資信託、ETFなどが中心で、現物の国債や社債はラインアップに含まれていません。

これは日本特有の制度的な制約であり、先ほど紹介した英国のISAや米国の退職勘定と比べると、見劣りする部分と言わざるを得ません。日本では長年、銀行中心の金融システムなどを背景に、債券市場の個人への裾野拡大が課題とされてきました。その解決策のひとつとして比較的取り組みやすいのが、現物の個人向け国債をNISAの対象に加えることだという指摘もあります。株価の上昇局面ほど、その後の急落への警戒も必要になるため、「資産を増やす」と「資産を守る」の両方をNISAという非課税の枠組みの中で実現できる制度改正が望まれるところです。

もちろん、制度が変わるまでの間も、NISAの外側で個人向け国債や債券ファンドを組み合わせることは十分可能です。大切なのは「NISAで買えるものだけが投資先」と思い込まず、NISA口座と課税口座を併用しながら、自分にとって最適な株式・債券バランスを考えることです。

投資初心者が今日からできる3つのアクション

ここまでの内容を踏まえ、実際にどう動けばよいのか、初心者の方でも取り組みやすい3つのステップにまとめてみます。

1点目は、自分の現在の資産配分を「見える化」することです。証券口座や預金通帳をすべて洗い出し、株式(投資信託・ETFを含む)と現金・債券がそれぞれ何%になっているかを計算してみましょう。多くの方が、思っていた以上に株式に偏っていることに気づくはずです。

2点目は、自分の「リスク許容度」を考えることです。リスク許容度とは、資産が一時的に何%下落しても精神的・経済的に耐えられるかという度合いのこと。一般的には、年齢が若く収入が安定しているほどリスク許容度は高く、株式の比率を高めに取れるとされます。逆に、退職が近い方や、数年以内に使う予定のある資金については、値動きの穏やかな債券や預金の比率を高めることが推奨されます。「株式の比率の目安は100から自分の年齢を引いた数字」という考え方もよく紹介されますが、これはあくまで一つの参考値であり、各自の収入や家族構成、投資経験によって最適な比率は異なります。

3点目は、まずは少額から債券に触れてみることです。個人向け国債は1万円から購入でき、証券会社や銀行の窓口・アプリから手続きが可能です。いきなり大きな金額を動かす必要はありません。毎月の積立投資の一部を個人向け国債に振り向けるだけでも、立派なアセットアロケーションの実践になります。

まとめ:株高だからこそ、自分のポートフォリオを点検しよう

今回は「株高の今こそ債券の出番」という日本経済新聞のコラムを入り口に、投資の土台となるアセットアロケーションの考え方を解説してきました。ポイントを振り返ってみましょう。

長期的な投資パフォーマンスの大部分を決めるのは、個別銘柄選びではなくアセットアロケーションであること。株高が続く局面ほど資産が株式に偏りやすいため、定期的なリバランスが必要なこと。個人向け国債は1万円から始められ、信用度の高い「守りの資産」であること。そして英国や米国と比べると、日本のNISAはまだ債券に対応しておらず、今後の制度改正にも注目が必要であること。この4つが今回の記事の要点です。

日経平均が史上最高値を更新し続ける今だからこそ、興奮して株式を買い増すだけでなく、一度立ち止まって自分のポートフォリオを点検してみてはいかがでしょうか。リスク許容度に見合った株式と債券のバランスを保つことこそ、長期的に安定した資産形成を続けるための一番のコツです。まずは家計の中の余裕資金の一部を、個人向け国債のような身近な債券商品に振り向けることから始めてみましょう。

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