TOPIXが47年ぶりに11カ月連続上昇!日本株絶好調の今、投資初心者が知っておくべき「分散投資」の重要性

投資ニュース解説

えっ、日本株ってこんなに上がってるの?TOPIXが47年ぶりの快挙!

2026年2月27日、東京市場に衝撃的なニュースが走りました。

東証株価指数(TOPIX)が、2月単月で10.44%上昇し、なんと11カ月連続の月間上昇を達成したのです。これは1978〜79年(13カ月連続)以来、実に47年ぶりという歴史的な記録です。

東証大引け 日経平均は4日続伸、最高値 根強い日本株の先高観で TOPIXも高値更新 - 日本経済新聞
27日の東京株式市場で日経平均株価は4日続伸し、終値は前日比96円88銭(0.16%)高の5万8850円27銭だった。高市早苗政権が掲げる政策期待などから日本株への先高観を強めた海外勢などが、日経平

「TOPIXって何?」という方もいると思うので、簡単に説明します。TOPIXとは「東証株価指数(Tokyo Stock Price Index)」の略で、東京証券取引所のプライム市場に上場しているすべての企業の株価を平均した指標です。日経平均株価が代表的な225銘柄だけを対象とするのに対し、TOPIXはより幅広い企業の動きを映す「日本株全体の健康バロメーター」と言えます。

その日本株のバロメーターが、27日の終値で3,938.68ポイントと15日ぶりに最高値を更新。2月の月間上昇率(10.44%)は、2020年11月(11.1%)以来5年3カ月ぶりの大きさでした。

「でも、去年の春に一度大きく下がったよね?」と記憶している方もいるかもしれません。そうなんです。2025年4月に米国が「相互関税」を発表し、世界中の株式市場が急落。TOPIXも2025年4月7日に年間最安値の2,288ポイントまで落ち込みました。直近の高値(2,815ポイント)から実に18%もの下落です。

ところがその後は一転して上昇基調に入り、今や「押し目待ちに押し目なし」——つまり「もっと安くなったら買おう」と待っていた人が、一度も安くなるタイミングをつかめないまま株価が上がり続けている、という状況が続いています。

ゴールドマン・サックスのアナリストは、1年後のTOPIXの目標水準を4,300ポイント(従来予想3,900から上方修正)に引き上げるほど、今の相場は強いと評価されています。

なぜこんなに上がっているの?日本株急騰の3つの理由

「株価が上がっているのはわかったけど、なんで急に日本株がそんなに強くなったの?」——そう思っている方も多いはずです。今回の株高局面には、野村証券のストラテジストが指摘する3つのサプライズ(意外な要因)があります。

① 外国人投資家が買いを止めない

財務省のデータによると、2025年5月以降、海外の投資家が日本株を9週連続で買い越し(買いが売りを上回っている状態)しており、その累計買越額はなんと5兆7,297億円にのぼります。

「日本株は割安だ」「日米関係の強化が期待できる」という見方から、特に現物株(実際の株を買う取引)への投資が増えています。

② 個人投資家からも着実にお金が流入

新NISAの普及もあって、国内の株式投資信託(投資信託とは、多くの人からお金を集めてプロが運用する金融商品のこと)には今年に入り約6,000億円近い資金が流入しています。ほとんど毎日お金が入ってきており、個人投資家の「コツコツ買い」が相場を下支えしています。

③ 企業の「自社株買い」が止まらない

自社株買いとは、企業が自分の会社の株を市場で買い戻すことで、株価の上昇につながりやすい行為です。2026年2月24日時点で、今年に入ってからの自社株買いの枠設定額は2兆1,473億円・246件と例年より多く、株価が上がっても企業が積極的に自社株買いを続けていることがわかります。

これら3つの力が組み合わさって、「売り圧力が出にくく、買い需要が絶えない」という強い相場が生まれているのです。

どんな銘柄が特に上がった?AI・半導体が牽引

では、この11カ月の上昇局面でどんな株が特に値上がりしたのでしょうか?

目立つのはAI(人工知能)・半導体関連銘柄です。その代表格が「キオクシア」。NAND型フラッシュメモリー(スマホやパソコンのデータを保存するチップ)を製造するこの会社は、なんと株価が8.9倍になりました。データセンター(AIを動かすための巨大コンピューター施設)向けの需要が爆発的に拡大し、供給不足が続いているためです。

以下は、2025年3月31日〜2026年2月27日のTOPIX500構成銘柄で上昇率が大きかった銘柄のトップ10です。

銘柄名上昇倍率
キオクシア8.9倍
三井金属8.5倍
古河電工5.7倍
フジクラ5.0倍
三井E&S4.8倍
イビデン4.8倍
JX金属4.7倍
住友電工4.2倍
アドバンテスト4.1倍
レゾナック4.0倍

キオクシア以外にも、半導体や電子部品に使う金属薄膜材料(三井金属、古河電工)、光ファイバー関連(フジクラ)、半導体基板(イビデン)など、AI・半導体の「縁の下の力持ち」的な素材・部品メーカーが軒並み大幅高となっています。

また、都心部の再開発やデータセンターの新設工事が増えたことで、建設会社の株も好調。大成建設や五洋建設がトップ20入りしています。さらに金価格の上昇を受けて、金鉱山を持つ住友鉱も買われました。

米国のGoogle、Amazon、Meta、Apple、Microsoftといったビッグテック企業が莫大な投資をしている恩恵が、日本の素材・部品・装置メーカーに波及している——これが今の日本株高の本質と言えるでしょう。

「失われた30年」が終わった?でも、落とし穴にも注意!

ここで少し立ち止まって考えてみましょう。

ひと昔前まで、日本株は「オワコン(時代遅れ)」と言われていました。1989年末にバブルのピークをつけた後、長らく株価が低迷し「失われた30年」と呼ばれる時代が続いたからです。ところが2023年ごろから流れが変わり始め、2025年はTOPIXが年間で+22%上昇。2025年末の大納会(年最後の取引日)では、1989年末の最高値を36年ぶりに超えるという歴史的な瞬間もありました。

では、2025年の世界の株式市場はどうだったのか?実は米国株(S&P500)が最も上昇率が低く、新興国株式・日本株・米国除く先進国株式の順でよいパフォーマンスでした。「米国株が最強」という常識が崩れた年だったのです。

2025年通年では「新興国株式 > 日本株 > 米国除く先進国株式 > 米国株式」という序列になりました。円建てで見ると、ドル安・円高の影響もあって米国株の成績がさらに見劣りする結果となっています。

ただし、ここで注意してほしいのです。「じゃあ日本株だけ買えばいいじゃないか!」と思いたくなりますが、それは危険な考え方です。

投資の世界では「過去の好成績が未来の保証にはならない」のが鉄則。

実際、2024年は米国株が世界最高の成績でした。2023年も米国株が圧倒的でした。なのに2025年は日本株・新興国株が上位に来た。この順番は毎年変わります。「今年は日本株が1位だったから来年も日本株が1位」とは限りません。

さらに今の日本株には、注意すべきリスクもあります。3月末に向けて、年金の運用機関(GPIFなど)が株の保有比率を調整するため、3兆5,000億円規模の日本株売りのニーズがあると試算されています(ただし、国内債券市場の変調から、売り圧力がそこまで膨らまないとの見方もあります)。好調が続く相場でも、いつ調整(下落)が来てもおかしくないことを頭に入れておきましょう。

投資初心者が今すぐ実践すべき「分散投資」の考え方

日本株が絶好調な今だからこそ、改めて大切なことをお伝えします。

「一点集中」より「分散投資」が長期投資の王道

分散投資とは、「1つのカゴに全部の卵を入れない」という考え方です。日本株だけ、米国株だけに集中して投資するのではなく、世界中の株式・地域に幅広く分けて投資することで、どこかが下がっても他でカバーできるリスク管理ができます。

2025年のパフォーマンスランキング(参考:円建て)は以下の通りです。

  1. 米国除く先進国株式(欧州など)
  2. 日本株式(TOPIX)
  3. 新興国株式(韓国、香港、ブラジルなどを含む)
  4. 米国株式(S&P500)

ところが、これが2024年だとランキングはほぼ逆転していました。「今年勝ったエリアが来年も勝つ」とは言えないのです。

実践的な分散投資の方法

① 全世界株式インデックスファンドを買う

「オールカントリー(オルカン)」の愛称で知られる全世界株式インデックスファンドは、日本を含む47カ国・約2,500〜10,000銘柄に一度に分散投資できます。1本買うだけで世界中に分散できる、初心者に最もおすすめの方法です。

② 地域別に少しずつ配分する

「日本株:先進国株:新興国株 = 1:1:1」のように3地域均等に分散する方法も有効です。この3地域均等型は2025年に「オルカン」を上回るパフォーマンスを記録しました。

③ つみたて投資で時間分散もする

一度にまとめて買うのではなく、毎月一定額をコツコツ積み立てることで「高いときも安いときも少しずつ買う」ドルコスト平均法が実践できます。新NISAのつみたて投資枠(年120万円まで非課税)を使うのが効率的です。

日本株への投資はどうする?

日本株が好調な今、「少しだけ日本株を多めに持ちたい」と感じる気持ちはよくわかります。全世界株式に加えて、国内株式インデックスファンドやTOPIX連動型ETFを組み合わせるのも一つの方法です。ただし、日本株だけで資産の大半を占めるような極端な集中投資は避けましょう。

JPモルガン・アセット・マネジメントの長期予測によれば、今後10〜15年の期待リターンは、日本大型株式が約7.1%、世界株式が約5.2%と、日本株が相対的に高い期待値を持っています。これは「日本株への注目が正当化される根拠」と言えますが、あくまで予測であり保証ではありません。

まとめ:日本株の快進撃を正しく受け止めよう

TOPIXが47年ぶりに11カ月連続上昇という歴史的な局面を迎えている今、日本株市場は確かに輝いています。AIや半導体関連、建設など幅広いセクターが恩恵を受け、外国人投資家・個人投資家・企業の3者が買いを支える強固な相場が続いています。

でも、だからこそ冷静に振り返ってほしいのです。

かつて「失われた30年」と言われ誰もが見向きもしなかった日本株が、今や世界で最も注目される市場の一つになりました。逆に、2023〜2024年に「最強」ともてはやされた米国株が、2025年は最下位に甘んじました。投資の世界に「永遠の王者」はいません。

今後も日本株が上がり続けるのか、それとも調整局面が来るのか——誰にも断言できません。だからこそ、特定の地域に集中せず、世界全体に分散投資をすることが、長期的な資産形成の基本です。

日本株の好調を「自分の資産形成を見直すきっかけ」として活かし、全世界への分散投資を軸に据えた長期・積立・分散の投資スタイルを実践しましょう。新NISAを上手に活用しながら、焦らず、慌てず、コツコツと資産を育てていくことが、投資初心者の皆さんにとって最も確かな道です。

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