【衝撃データ】インデックスに勝ったアクティブ投信は13本だけ!新NISAで初心者が選ぶべき最適解は?

投資ニュース解説

2024年から始まった新NISA。「よし、私も投資を始めてみよう!」と思ったものの、「たくさん商品があって、どれを選べばいいか分からない…」と悩んでいませんか?

特に悩ましいのが、「アクティブファンド」と「インデックスファンド」のどちらを選ぶか、という問題。

「アクティブって名前からして積極的で儲かりそう!」「プロが運用してくれるなら安心だよね!」

そう考える方も多いかもしれません。しかし、最近ちょっと気になるニュースが飛び込んできました。

【驚きのニュース】プロが運用する投資信託、ほとんどが市場平均に負けていた!

先日、「AERA Money」という雑誌のウェブ版に、こんな見出しの記事が掲載されました。

少なすぎ! インデックスに勝ったアクティブ投信は何本あったか10年検証【新NISA応援】 | AERA DIGITAL(アエラデジタル)
アクティブ投資信託よりインデックス投資信託のほうがいいといえる根拠をデータで示す。長期でインデックス型に勝ち続けたアクティブ型が驚くほど少ない結果に。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2…

この記事によると、ある調査機関が過去10年間の運用成績を調べたところ、市場の平均点(インデックス)に勝ち続けたアクティブファンドは、なんとたったの13本しかなかったというのです。

特に、アメリカの代表的な株価指数である「S&P500」に勝ち続けたアクティブファンドは、たったの1本。全世界の株式(MSCIワールド)を対象にしたものでは、なんと0本だったとのこと…。

「え、プロが一生懸命分析して運用してくれるのに、そんなに負けてるの!?」と驚きますよね。

この記事は、私たち投資初心者が陥りがちな「プロに任せれば儲かるはず」という思い込みに、冷や水を浴びせるような衝撃的な内容でした。

この記事を読めば、なぜこのような結果になるのか、そして新NISAで私たちが本当に選ぶべき投資信託が何なのか、その答えがきっと見つかるはずです。一緒に学んでいきましょう!

そもそも「アクティブ」と「インデックス」って何が違うの?

衝撃的なデータを見る前に、まずは基本の確認です。「アクティブファンド」と「インデックスファンド」、この2つの違いをしっかり理解しておきましょう。レストランのコース料理に例えてみますね。

インデックスファンド:誰が頼んでも美味しい「定番コース」

インデックスファンドは、市場の平均点を目指すファンドです。 日経平均株価やアメリカのS&P500といった、「指数(インデックス)」と同じ値動きをすることを目指します。

レストランで言えば、「当店人気No.1の定番Aコース」のようなもの。 シェフ(運用会社)は、そのコースのレシピ(指数に採用されている銘柄リスト)通りに、忠実に料理(運用)をします。誰が注文しても、安定して美味しい料理が出てくるイメージです。

メリット

  • 手数料が安い!:レシピ通りに作るだけなので、手間がかからず、料理人(ファンドマネージャー)の腕もそこまで必要ありません。そのため、手数料(専門用語で「信託報酬」と言います)が非常に安く設定されています。
  • 値動きが分かりやすい:ニュースで「日経平均が上がった」と聞けば、自分の投資信託も上がっていることがすぐに分かります。
  • 大負けしにくい:経済全体が成長すれば、その平均点であるインデックスも上昇していくので、長期的に見れば安定したリターンが期待できます。

デメリット

  • 良くも悪くも「平均点」:市場全体が不調なときは、同じように値下がりします。市場平均を大きく上回る、爆発的なリターンは期待できません。

アクティブファンド:カリスマシェフの「おまかせコース」

一方、アクティブファンドは、市場の平均点を超えるリターンを目指すファンドです。 ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、独自の調査や分析に基づいて、「これは伸びる!」と確信した銘柄を厳選して投資します。

レストランで言えば、「カリスマシェフの本日のおまかせスペシャルコース」です。 シェフは自分の目利きと腕を信じて、最高の食材(銘柄)を仕入れ、独創的な料理(ポートフォリオ)を提供します。定番コースを超える、感動的な一皿に出会えるかもしれません。

メリット

  • 市場平均を上回るリターンが期待できる:シェフの目利きが当たれば、定番コースをはるかに超える素晴らしいリターン(利益)を得られる可能性があります。

デメリット

  • 手数料が高い!:カリスマシェフが手間ひまかけて食材を厳選し、調理するわけですから、料金は高くなります。アクティブファンドも、ファンドマネージャーやアナリストの人件費、調査費用がかかるため、信託報酬がインデックスファンドの何倍も高くなります。
  • ファンドマネージャーの腕次第:シェフの腕が悪かったり、食材選びに失敗したりすると、定番コース以下の残念な結果になることも…。
  • 当たり外れが大きい:数千本もあるアクティブファンドの中から、「本当に腕のいいシェフ」を見つけ出すのは至難の業です。

【初心者向け解説】信託報酬ってなに? 信託報酬とは、投資信託を保有している間、毎日少しずつ払い続ける手数料のことです。いわば、運用会社への「お礼」ですね。年率0.1%とか1.5%とかで表示されますが、この差が長期的に見るととんでもない違いを生みます。例えば、100万円を30年間、年利5%で運用した場合…

  • 信託報酬0.1%の場合 → 約411万円
  • 信託報酬1.5%の場合 → 約271万円

なんと、約140万円もの差に!手数料は、ボディブローのようにじわじわとあなたの資産を削っていく、とても重要なポイントなんです。

これが現実!アクティブファンドがインデックスに勝てない「不都合な真実」

さて、基本を押さえたところで、冒頭のニュースの核心に迫りましょう。なぜ、高い手数料を払ってプロにお願いしているのに、アクティブファンドはインデックスファンドに勝てないのでしょうか?理由は大きく2つあります。

理由1:越えられない「手数料の壁」

これが最大の理由です。アクティブファンドは、そもそもインデックスファンドに対して高い手数料というハンデを背負ってスタートしています。

例えば、インデックスファンドの信託報酬が年率0.1%、アクティブファンドが1.5%だとします。 この時点で、アクティブファンドは運用を始める前に、すでに1.4%のビハインドを負っているのです。

つまり、アクティブファンドのファンドマネージャーは、市場平均(インデックス)に勝つだけでなく、「市場平均 + 高い手数料」という非常に高いハードルを毎年越え続けなければ、インデックスファンドのリターンを上回ることはできません。

1年や2年なら、その高いハードルを越えられる凄腕ファンドマネージャーもいるかもしれません。しかし、5年、10年、20年と長期間にわたって越え続けることは、プロ中のプロでも至難の業なのです。AERA Moneyのデータは、その現実を如実に示しています。

理由2:プロでも出し抜くのが難しい「効率的な市場」

少し難しい話になりますが、現代の株式市場は世界中のプロが参加する「効率的市場」に近いと言われています。

【初心者向け解説】効率的市場仮説ってなに? ものすごく簡単に言うと、「企業の株価には、公表されているあらゆる良い情報も悪い情報も、すでに全部織り込まれているよ」という考え方です。 例えば、A社が画期的な新製品を発表したというニュースが出たとします。その瞬間に世界中の投資家が「これは買いだ!」と判断し、一瞬で株価は上昇します。 そのため、「まだ誰にも知られていないお宝銘柄」を見つけて、出し抜くことは非常に難しい、というわけです。

世界中の優秀なアナリストたちが、同じ情報を見て、スーパーコンピューターを駆使して分析している現代。その中で、一人のファンドマネージャーが継続的に他のプロを出し抜き、「お宝銘柄」を見つけ続けるのは、非常に困難なのです。

もちろん、短期的に市場の歪みを見つけて利益を出すことは可能かもしれません。しかし、それを10年、20年と続けるのは、ほぼ不可能に近い。これが、多くのアクティブファンドが市場平均に負けてしまうもう一つの大きな理由です。

「じゃあ、その勝てた13本を買えばいいのでは?」という疑問への回答

「なるほど、ほとんどのアクティブファンドが負けるのは分かった。でも、ニュース記事にはS&P500に勝ったファンドが1本、TOPIX(日本の株価指数)に勝ったファンドが11本あったって書いてあるじゃないか。じゃあ、その『勝ち組ファンド』に投資すればいいんじゃない?」

これは、とても鋭い指摘です。しかし、残念ながら、そう簡単にはいきません。ここにも大きな落とし穴があります。

落とし穴:過去のエースが、未来もエースとは限らない

野球に例えてみましょう。去年、打率4割を打って首位打者になったスター選手がいたとします。その実績は素晴らしいですよね。

では、「来年も絶対に首位打者になれる」と断言できるでしょうか? おそらく、誰も「絶対に」とは言えません。ケガをするかもしれないし、急にスランプに陥るかもしれません。

投資信託も全く同じです。「過去の実績は、将来の成果を保証するものではありません」という注意書きを、あなたも見たことがあるはずです。

  • たまたま、そのファンドマネージャーが得意な相場が続いていただけかもしれない。
  • 中心に据えていた特定の銘柄(例えば、ニュース記事にあった半導体関連株など)が、たまたま数年間絶好調だっただけかもしれない。

来年から相場の雰囲気がガラッと変われば、去年のスター選手(勝ち組ファンド)が、今年はベンチを温める存在になってしまう可能性も十分にあるのです。

宝くじを当てるようなもの

AERA Moneyの記事で検証対象となったアクティブファンドが何本あったかは定かではありませんが、国内で購入できる投資信託は数千本あります。

その数千本の中から、たった十数本の「過去の勝ち組」を探し出し、さらにその中から「未来も勝ち続けるであろう本当の勝ち組」を当てる。

これはもう、投資というよりは宝くじやガチャに近いのではないでしょうか。

私たち個人投資家が、その「当たりくじ」を的確に引き当てるのは、非常に難しいと言わざるを得ません。もし運良く引き当てたとしても、そのファンドがいつ「負け組」に転落するか、常にハラハラしながら見守らなければならないのです。

結論!だから私は「インデックス投資」を選びます【新NISAの最適解】

ここまで、アクティブファンドがインデックスファンドに勝つのがいかに難しいか、データと理由を交えてお話ししてきました。

これらの事実を踏まえて、私の考えは非常にシンプルです。

  • アクティブファンドがインデックスファンドに勝ち続けるのは、非常に難しい。
  • どのファンドが勝ち続けられるかを、事前に予測するのはもっと難しい。
  • さらに、アクティブファンドは手数料が割高で、長期的にリターンを圧迫する。

だから、私は低コストのインデックスファンドを、長期でコツコツ積み立てることを選びます。

これは、特別な才能や知識がない私たち普通の個人投資家にとって、最も再現性が高く、そして最も心穏やかに資産形成を続けられる「最適解」だと確信しています。

市場の平均点(インデックス)を狙う、というと少し地味に聞こえるかもしれません。しかし、世界経済は長期的には成長を続けてきました。その成長の果実を、まるごと受け取れるのがインデックス投資の素晴らしいところです。わざわざ高い手数料を払って、勝てるかどうかも分からないギャンブルに挑む必要はないのです。

実際に、SBI証券や楽天証券といったネット証券の新NISA売れ筋ランキングを見てみると、上位は軒並み「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」といった、低コストなインデックスファンドで独占されています。

これは、多くの賢明な個人投資家が、同じ結論にたどり着いている証拠と言えるでしょう。

まとめ:賢い選択で、未来を変えよう

最後に、今日のポイントをまとめます。

  • 衝撃の事実:過去10年、市場平均(インデックス)に勝ち続けたアクティブファンドは、ごくわずか(S&P500には1本、全世界株式には0本)。
  • 勝てない理由:最大の理由は「手数料の壁」。アクティブファンドは高い手数料のハンデを背負っているため、長期で勝ち続けるのが構造的に難しい。
  • 未来は読めない:過去に成績が良かったファンドが、未来も良いとは限らない。数千本の中から「当たり」を探し出すのは至難の業。
  • 初心者の最適解:だからこそ、特別な知識や才能がなくても、世界経済の成長に乗れる「低コストなインデックスファンド」を長期でコツコツ積み立てるのが、最も賢明で再現性の高い投資法です。

新NISAという素晴らしい制度が始まり、誰もが資産形成にチャレンジできる時代になりました。だからこそ、最初の第一歩でつまずかないでほしい。

「プロにおまかせ」という甘い言葉に惑わされず、データに基づいた賢い選択をしてください。

まずは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」か「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」。このどちらかのインデックスファンドを、月々5,000円からでもいいので、積立設定することから始めてみませんか?

その小さな一歩が、10年後、20年後のあなたの未来を、きっと大きく変えてくれるはずです。

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