最近、ニュースやSNSで「暗号資産(仮想通貨)」って言葉をよく見かけますよね。「ビットコインで億り人!」なんて聞くと夢があるな〜と思う反面、「価格の変動が激しくて怖い…」と感じる人も多いんじゃないでしょうか。ぼくもその一人です。
でも、そんな暗号資産の世界に、価格が安定している「ステーブルコイン」というものが登場し、今、ものすごい勢いで注目を集めているのを知っていますか?
「え、価格が安定してる暗号資産?どういうこと?」って思いますよね。
今日は、そんな未来のお金の主役になるかもしれない「ステーブルコイン」について、投資初心者のぼくと一緒に学んでいきましょう!
【導入】そもそも「ステーブルコイン」って何?なぜ今、話題なの?
そもそも「ステーブルコイン」って何?
ステーブルコインをひとことで言うと、「価値が安定するように設計された暗号資産」のことです。
「ステーブル(Stable)」は「安定した」という意味。その名の通り、価格がジェットコースターのように乱高下するビットコインなどとは違って、特定の資産と価値が連動(ペグ)するように作られています。
連動する資産として最も一般的なのが、米ドルのような「法定通貨」です。例えば、「1コイン=1ドル」といった具合に価値が固定されているんです。他にも、金(ゴールド)などの商品(コモディティ)や、他の暗号資産と連動するものもあります。
【かんたん解説】法定通貨(ほうていつうか)とは?
日本の「円」やアメリカの「ドル」のように、国が法律でその価値を定めて、国内で通用することを強制しているお金のことです。国の中央銀行が発行・管理しています。
なぜ今、こんなに話題なの?
「価値が安定してるなら、わざわざ暗号資産にする意味あるの?」と思いますよね。その答えと、今まさにステーブルコインが世界の注目を浴びている理由が、2025年7月16日の日経の社説に隠されています。

この記事によると、アメリカでステーブルコインに関する新しい法律作りが進んでいて、もしこれが実現すれば、市場がとんでもない規模に成長するかもしれない、と予測されているんです。
価格が安定しているから、ビットコインのように「投資(投機)の対象」としてだけでなく、「日常の買い物や送金(決済)」に使える可能性を秘めている。そんなステーブルコインが、いよいよ本格的に社会に普及するかもしれない。そんな期待感から、世界中の投資家や政府が熱い視線を送っているというわけです。
それでは、そのアメリカの動きと、ステーブルコインが秘める巨大な可能性について、もっと詳しく見ていきましょう!
【巨大な可能性】アメリカが本気!2兆ドル市場への期待
ステーブルコインが「価値の安定した暗号資産」だということを学びましたね。ここからは、なぜそのステーブルコインが「未来の金融を揺るがすかもしれない」とまで言われているのか、その巨大な可能性について深掘りしていきます。キーポイントは、ズバリ「アメリカの本気度」です。
アメリカの切り札?「GENIUS法案」って何?
社説で論じられていたように、2025年6月、米上院で「GENIUS法案」という、ステーブルコインに関する新しいガイドラインを定めた法案が可決されました。これは、ステーブルコインにとってものすごく大きな一歩です。
今まで、暗号資産の世界はちょっと無法地帯なところがありました。ルールが曖昧だから、使うのが不安だったり、企業も本格的に参入しにくかったりしたんです。
でも、この法案が成立すれば、国が「こういうルールを守れば、アメリカでステーブルコインを発行・利用してOKですよ」とお墨付きを与えることになります。いわば、国がステーブルコインのためのしっかりとした土台を作ろうとしているわけです。
これにより、利用者は安心して使えるようになり、企業は新しいビジネスを始めやすくなります。その結果、市場が一気に拡大するだろう、と予測されているんです。
2028年末には「2兆ドル市場」へ!?
その市場規模の予測が、本当にすごいんです。社説に出てきたベッセント米財務長官によると、この法案が成立すれば、現在のステーブルコイン市場(約2400億ドル)が、2028年末にはなんと2兆ドル規模に達する可能性があるとのこと。
2兆ドル…って、日本円にしたら約300兆円(1ドル150円換算)とかでしょうか?もう天文学的すぎて、イメージが湧かないくらいのとてつもない数字ですよね。これは、今の市場規模から見ると8倍以上の成長です。たった数年でこれだけの爆発的な成長が見込まれている分野って、他になかなかありません。
なぜアメリカはステーブルコインを推すの?狙いは「ドル覇権」の維持
「でも、なんでアメリカはそんなにステーブルコインを後押しするの?」と疑問に思いますよね。実はそこには、アメリカの国家戦略とも言える、ある壮大な狙いが隠されています。それは、「ドルの覇権を守る」ということです。
【かんたん解説】ドルの覇権(はけん)とは?
世界の貿易や金融取引で、米ドルが中心的な役割を果たしている状態のことです。「基軸通貨(きじくつうか)」とも呼ばれます。海外と取引するとき、多くの場合はまず自国の通貨をドルに両替しますよね。これにより、アメリカは世界経済に対して大きな影響力を持っているんです。
トランプ政権は、この「ドルの王様」としての地位を、これからも維持したいと考えています。そして、ドルと価値が連動したステーブルコイン(ドル建てステーブルコイン)が世界中で使われるようになれば、結果的にドルの需要が高まり、ドルの力が保たれる、と考えているわけです。
さらに、海外でドル建てステーブルコインが発行されると、その価値を保証するための「準備資産」として、アメリカの国債やドル預金が買われることになります。これもまた、ドルにとっては追い風になります。
つまり、ステーブルコインは、トランプ政権にとって「デジタル時代のドル覇権を守るための秘策」というわけなんですね。国がここまで本気で推進しようとしている。これが、ステーブルコインの将来に大きな期待が寄せられている最大の理由なんです。
【ぼくらの生活が変わる?】ステーブルコインの具体的なメリット
アメリカが国を挙げて推進しようとしているステーブルコイン。その市場がとんでもない規模に成長するかもしれない、という話はワクワクしますよね。
でも、「それって、ぼくらの生活に何か関係あるの?」と思うのが正直なところだと思います。そこでこのブロックでは、ステーブルコインが普及すると、ぼくたちの日常にどんないいことがあるのか、具体的なメリットを見ていきましょう!
メリット①:海外への送金が「安く、速く、簡単に」なる!
もしあなたが海外に住む家族や友人に送金したり、海外のネットショップで買い物をしたりした経験があれば、その手数料の高さと着金までの時間の長さに驚いたことがあるかもしれません。
銀行を通して海外に送金すると、数千円の手数料がかかる上に、お金が相手に届くまで数日かかることもザラですよね。これは、お金が国境を越える際に、たくさんの銀行を経由する必要があるためです。
しかし、ステーブルコインを使えば、この問題が劇的に改善される可能性があります。
イメージとしては、LINEで友達にスタンプを送るような感覚で、世界中の誰にでも、わずかな手数料で、ほぼリアルタイムにお金を送れるようになるんです。
これは、ステーブルコインが「ブロックチェーン」という技術を基盤にしているからです。
【かんたん解説】ブロックチェーンとは?
ざっくり言うと、「取引の記録を、みんなで監視・共有し合うデジタルな台帳」のようなものです。銀行のような特定の管理者(中央集権的な存在)を介さずに、ユーザー同士が直接データをやり取りできるのが特徴です。これにより、仲介手数料を大幅に削減し、処理スピードを速めることができるんです。
この「安く、速く、簡単に」という特徴は、個人間の送金だけでなく、企業間の貿易決済などにも革命をもたらすと言われています。
メリット②:日常の支払いや買い物がもっとスムーズに
ステーブルコインのもう一つの大きなメリットは、なんといっても「価値が安定している」こと。
例えば、ビットコインでコンビニのコーヒーを買うことを想像してみてください。今朝150円だったコーヒーが、ビットコインの価格変動によって、午後には180円分の価値になっているかもしれません。これでは、安心して買い物に使えませんよね。
でも、「1コイン=1円」のように価値が固定されたステーブルコインなら、そんな心配は無用です。日本円の電子マネーと同じような感覚で、日々の支払いに利用できます。
キャッシュレス決済が当たり前になった今、その選択肢の一つとして、よりグローバルで便利なステーブルコインが加わる未来は、そう遠くないのかもしれません。
このように、ステーブルコインは投資の対象としてだけでなく、「決済手段」としての圧倒的なポテンシャルを秘めているんです。これが、価格変動の激しい他の暗号資産との決定的な違いであり、ぼくたちの生活を直接的に豊かにしてくれる可能性を秘めている部分なんですね。
【注意点】良いことばかりじゃない!知っておくべき課題とリスク
ここまでステーブルコインの輝かしい未来や、ぼくたちの生活を便利にしてくれる可能性について見てきました。話を聞いていると、「今すぐステーブルコインに投資しなきゃ!」と気持ちが前のめりになってしまうかもしれません。
でも、ちょっと待ってください!投資の世界では、大きなリターンの可能性があるものには、必ず相応のリスクが伴います。冷静な投資家になるためには、光の部分だけでなく、影の部分、つまり課題やリスクについてもしっかりと理解しておくことが不可欠です。
このブロックでは、ステーブルコインが抱える3つの主要な課題について見ていきましょう。
課題①:マネーロンダリング(犯罪への悪用)のリスク
これはステーブルコインに限らず、暗号資産全体が抱える問題です。その匿名性や国境を越えた送金の容易さから、犯罪で得た汚いお金を、出所がわからないように「洗浄(ロンダリング)」するために悪用される懸念があります。
【かんたん解説】マネーロンダリング(マネロン)とは?
犯罪などによって得られた資金(汚れたお金)を、架空の口座や複数の金融機関を転々とさせることで、その出所をわからなくする行為のことです。「資金洗浄」とも呼ばれます。
もちろん、GENIUS法案のような法整備は、こうした犯罪を防ぐためのルール作り(例えば、利用者の本人確認の義務化など)も目的としています。しかし、悪用しようとする人間とのイタチごっこが続く可能性は否定できません。
課題②:金融システム全体を不安定にする可能性
もしステーブルコインが世界中で広く使われるようになったら、それはもう一つの巨大な金融システムになります。そうなると、何か問題が起きた時の影響も甚大です。
例えば、何か悪いニュースが流れて、「このステーブルコインは危ないかもしれない!」と不安になった人たちが、一斉にそのステーブルコインを現金(ドルなど)に換えようと殺到する「取り付け騒ぎ」のような事態が起こるかもしれません。
そうなると、ステーブルコインの価値を支えている準備資産が底をつき、価格が暴落してしまいます。これは、そのステーブルコインを持っている人だけでなく、金融市場全体にパニックを引き起こし、大きな混乱を招く可能性があります。
課題③:発行企業の「信用リスク」
ステーブルコインの価値は、発行している企業が保有する「準備資産」によって担保されています。つまり、ぼくたちは「この会社は、ぼくたちが持っているコインと同額のドルを、ちゃんと金庫に保管してくれているよね?」と信用してお金を預けているわけです。
では、もしその発行元の会社が、経営に失敗して倒産してしまったらどうなるでしょうか?
最悪の場合、価値の裏付けを失ったステーブルコインは、ただのデジタルゴミになってしまう、つまり価値がゼロになるリスクも考えられます。だからこそ、どの会社が発行しているステーブルコインなのか、その信頼性を見極めることが非常に重要になります。
過去の教訓:Facebookの「リブラ計画」
こうしたリスクが現実のものであることを示す象徴的な出来事が、2019年にありました。Facebook(現Meta社)が主導して、グローバルなステーブルコイン「リブラ(後にディエムと改称)」を発行しようという壮大な計画を発表したのです。
しかしこの計画は、世界中の金融当局から「マネロンに使われる!」「国の金融政策を脅かす!」と猛反対を受け、事実上、頓挫してしまいました。巨大IT企業が発行する通貨が、国の通貨(法定通貨)の力を弱めてしまうことを、各国の政府が恐れたのです。
今回のニュースで取り上げられているアメリカの動きは、このリブラの失敗という教訓を踏まえた上で、「民間企業に自由にやらせるのではなく、国がしっかり管理できる枠組みを作ろう」という意図があると言えるでしょう。
このように、ステーブルコインには大きな可能性がありますが、同時に無視できないリスクも存在します。投資を検討するなら、こうした負の側面もしっかりと理解しておく必要がありますね。
【未来予測】じゃあ、ぼくらはどうすればいい?日本での動きと投資家の心構え
さて、ステーブルコインの可能性と課題について、アメリカの状況を中心に見てきました。「じゃあ、ぼくたちが住んでいる日本ではどうなの?」「投資家としては、これからどう動けばいいの?」という疑問が湧いてきますよね。
視点を日本に移し、今後の展望とぼくたち投資初心者の心構えについて考えていきましょう。
実は先進国!日本のステーブルコイン法規制
「アメリカでようやく法整備が…」というニュースを見ると、日本は遅れているんじゃないか?と感じるかもしれません。でも、実はそんなことはないんです。
なんと日本は、世界に先駆けて2023年6月にステーブルコインに関する法律(改正資金決済法)を施行しています。これは、主要国の中では最も早い動きで、世界から注目されているんですよ。
この法律では、日本でステーブルコインを発行できるのが、銀行や資金移動業者、信託会社などに限定されています。そして、発行者には資産を保全する義務が課せられていて、利用者が安心して使えるような仕組みが整えられています。
つまり、日本ではアメリカよりも一足先に、「安全なステーブルコインのための土台」が作られているんです。
日本でも「〇〇コイン」が当たり前になる?
この法整備を受けて、日本の金融機関も動き出しています。
三菱UFJ信託銀行などが中心となって開発を進めるデジタル通貨基盤「Progmat(プログマ)」では、様々な企業が円やドルに連動したステーブルコインを発行する計画が進んでいます。将来的には、メガバンクが発行する「円ステーブルコイン」を使って、日常の買い物をするのが当たり前になる日が来るかもしれません。
アメリカのドル建てステーブルコインが世界で普及するのと同じように、日本でも円建てのステーブルコインが独自の経済圏を作っていく可能性は十分にあります。
投資初心者が今からできること
ここまで読んで、「ステーブルコイン、やっぱり面白そう!」「投資してみたい!」と思った方も多いでしょう。では、ぼくたち投資初心者は、今、何をすべきでしょうか?
ぼくが思う、大切な心構えは以下の3つです。
- まずは「知る」ことから始める いきなり大金を投じるのではなく、まずは情報収集を徹底しましょう。今日ぼくが解説したような基本的な仕組みはもちろん、どんな企業がどんなステーブルコインを発行しているのか、そのコインはどんな仕組みで価値を担保しているのか、どんなリスクがあるのか。信頼できるニュースソースや専門家の意見を参考に、自分なりに調べてみることが大切です。
- 「余裕資金」で「少額」から試してみる もし投資をするなら、必ず「なくなっても生活に困らないお金(余裕資金)」の範囲内で行いましょう。特に、ステーブルコインのような新しい技術分野は、予期せぬトラブルが起こる可能性もゼロではありません。最初は、数千円から数万円程度の少額で試してみて、その値動きや使い勝手を肌で感じてみるのがおすすめです。
- 「自己責任」の原則を忘れない これは投資の鉄則ですが、最終的にどんな判断を下すにしても、その結果の責任はすべて自分自身が負うことになります。誰かが「絶対に儲かる」と言っていても、それを鵜呑みにしてはいけません。自分で調べ、自分で考え、自分で決断する。この「自己責任」の原則を常に心に刻んでおきましょう。
ステーブルコインは、まだ生まれたばかりの技術です。だからこそ、大きな成長の可能性と、未知のリスクが混在しています。チャンスを掴むためには、このエキサイティングな分野の動向を、これからも継続してウォッチしていくことが何よりも重要ですね。
【まとめ】未来のお金「ステーブルコイン」の可能性は無限大!でも投資は慎重に
さて、今日は未来の金融を変えるかもしれない「ステーブルコイン」について、詳しく解説しました。最後に、今回の内容をもう一度おさらいしておきましょう。
- ステーブルコインとは? 米ドルなどの法定通貨と価値が連動することで、価格が安定している暗号資産のこと。ビットコインと違い、決済手段としての活用が期待されています。
- なぜ今、注目されているの? アメリカで「GENIUS法案」という法整備が進んでいるからです。国がお墨付きを与えることで、市場が現在の約2400億ドルから、2028年末には2兆ドル規模へと急成長すると予測されています。トランプ政権は、これを「ドル覇権」維持の切り札と考えています。
- どんなメリットがあるの? ブロックチェーン技術により、海外送金などが「安く、速く、簡単に」なります。また、価値が安定しているため、日常の買い物にも安心して使えるようになります。
- どんなリスクがあるの? マネーロンダリングへの悪用や、取り付け騒ぎによる金融システム不安、そして発行企業の倒産リスクなど、注意すべき点も多くあります。過去にはFacebookの「リブラ計画」が頓挫した例も。
- ぼくらはどうすればいい? まずは情報収集を徹底し、投資するなら余裕資金で少額から試してみること。そして何より「自己責任」の原則を忘れないことが大切です。ちなみに、日本は世界に先駆けて法整備を終えているステーブルコイン先進国の一つです。
ステーブルコインは、ぼくたちの「お金」に対する考え方や、社会の仕組みそのものを、根本から変えてしまうほどのインパクトを秘めています。
もちろん、新しい技術だからこその不確実性やリスクも存在します。しかし、その未来にワクワクする気持ちも止められませんよね。
大切なのは、熱狂に踊らされることなく、かといって恐怖心から目を背けるのでもなく、正しい知識を身につけて、冷静に未来を見据えることだと、ぼくは思います。
この記事が、あなたが未来のお金の形について考える、一つのきっかけになれば嬉しいです。ぼくも、引き続きこのエキサイティングな分野の動向を追いかけていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!