手数料ゼロの時代到来!ステーブルコイン決済が変える日本のキャッシュレス革命

投資ニュース解説

2026年1月28日、大阪・関西万博で実際に使われていたデジタルウォレット(電子財布)を開発した企業、HashPort(ハッシュポート)が、画期的なサービスを開始すると発表しました。そのサービスとは、店舗も消費者も手数料無料でステーブルコインによる決済ができるというものです。

ステーブルコイン決済無料に 万博ウォレット開発のフィンテック企業 - 日本経済新聞
大阪・関西万博で買い物の決済などに使われたアプリを開発したフィンテック、HashPort(ハッシュポート、東京・港)は28日、店舗や消費者が無料でステーブルコインの決済ができるサービスを始める。手数料などのコスト負担をなくし、事業者のキャッ...

「ステーブルコイン?何それ?」と思われる方も多いかもしれません。大丈夫です、この記事で初心者の方にもわかりやすく、そしてこれがなぜ投資や日常生活にとって重要なのかを解説していきます。

万博で実証された「手数料ゼロ」の威力

HashPortが開発した「EXPO2025デジタルウォレット」は、大阪・関西万博で約100万人以上がダウンロードし、実際に使用されました。このアプリは万博会場内での買い物や決済に利用され、ブロックチェーン技術を活用した次世代の決済システムとして大きな注目を集めました。

そして今回、万博での実証実験を経て、一般の店舗でも使える形にパワーアップしたのです。最大の特徴は、店舗側も消費者側も手数料が一切かからないという点。これは従来の決済方法と比べて、革命的な変化と言えます。

従来の決済との違いは?

現在、私たちが使っているクレジットカードやPayPayなどのQRコード決済では、店舗側が決済額の約3〜5%程度の手数料を負担しています。例えば、1,000円の商品を売っても、店舗には950〜970円しか入らないのです。

小さな飲食店や個人商店にとって、この手数料負担は決して軽いものではありません。しかし、今回のステーブルコイン決済なら、1,000円の商品が売れれば、店舗には1,000円がそのまま入ります。手数料ゼロ、登録料ゼロ、利用料ゼロ。これが実現できるのは、ブロックチェーンという技術のおかげなんです。

ステーブルコインって何?初心者にもわかる基礎知識

ビットコインとは違う「安定した」デジタル通貨

「仮想通貨」や「暗号資産」と聞くと、ビットコインを思い浮かべる方が多いでしょう。ビットコインは価格が激しく変動することで知られています。1日で10%、20%と価格が上下することも珍しくありません。

これに対して、ステーブルコインは「安定した(stable)コイン」という名前の通り、価格が安定するように設計されたデジタル通貨です。多くのステーブルコインは、1コイン=1ドル、あるいは1コイン=1円といったように、法定通貨と1対1で価値が連動しています。

なぜ価格が安定するの?

ステーブルコインの価格が安定している理由は、その裏付けにあります。主なステーブルコインは「法定通貨担保型」と呼ばれ、発行された分だけ、銀行などに実際のドルや円が保管されています。

例えば、100万枚のステーブルコインが発行されていれば、発行元は銀行に100万ドル(または100万円)を信託財産として預けています。これにより、「いつでも1コイン=1ドル(または1円)で交換できる」という信頼が保たれているのです。

日本で正式に認められたステーブルコイン

2025年10月、日本では初めて正式に円建てステーブルコイン「JPYC」が発行されました。これは資金決済法に基づき、「電子決済手段」として日本政府から認められたもので、価値維持のための裏付け資産には預貯金や日本国債が用いられています。

つまり、単なる投機的な仮想通貨ではなく、制度的に保護された、安心して使えるデジタル通貨として位置づけられているのです。

日本では他にも、米ドルに連動するUSDC(USDコイン)が利用可能になっており、2026年現在、ステーブルコインの世界市場規模は約3,000億ドル(約48兆円)にも達しています。

なぜ手数料ゼロが実現できるのか?ブロックチェーンの仕組み

従来の決済の複雑な仕組み

ここで多くの方が疑問に思うのは、「なぜ手数料ゼロが可能なの?」ということでしょう。その秘密は、ブロックチェーン技術にあります。

まず、クレジットカード決済の仕組みを見てみましょう。

あなたがクレジットカードで買い物をすると、その情報は以下のような複雑な経路をたどります:

  1. 店舗(加盟店)
  2. 決済代行会社
  3. アクワイアラ(加盟店契約会社)
  4. 国際ブランド(VISAやMastercard)
  5. イシュア(カード発行会社)

この5つの関係者がそれぞれ役割を果たし、それぞれが手数料を受け取ります。だから店舗が支払う手数料は3〜5%にもなるのです。

ブロックチェーンが実現する「直接取引」

一方、ステーブルコインはブロックチェーン技術を使って、送金元と受け取り側が直接データをやりとりします。中間業者が必要ないため、手数料を大幅に削減できるのです。

具体的には:

  • 即時決済:数秒で送金が完了
  • 24時間365日対応:銀行の営業時間を気にする必要なし
  • 低コスト:中間業者への手数料が不要
  • 透明性:取引がブロックチェーン上に記録され、改ざんが困難

HashPortのサービスでは、店舗側のウォレット(電子財布)のアドレスを示すQRコードを消費者が読み込み、保有するステーブルコインを利用金額分送金するだけ。シンプルで、速く、そして手数料がかかりません。

なぜ企業が無料で提供できるの?

「でも、HashPortは利益をどうやって得るの?」という疑問もあるかもしれません。

これについては、将来的には以下のようなビジネスモデルが考えられます:

  • ステーブルコインと日本円の交換(オンランプ・オフランプ)での手数料
  • ウォレット内での付加価値サービス(ポイント連携など)
  • 企業向けの高度な機能の提供

現段階では、まずステーブルコイン決済の普及を目指し、エコシステム(経済圏)を拡大することが優先されているのです。

店舗と消費者、それぞれのメリット

ステーブルコイン決済の導入は、店舗側と消費者側の双方に大きなメリットをもたらします。

店舗側の5つのメリット

1. 手数料負担ゼロで利益率アップ

これが最大のメリットです。月商100万円の飲食店がクレジットカード決済を導入すると、年間約40万円(手数料4%の場合)もの手数料を支払うことになります。しかし、ステーブルコイン決済なら、この負担がゼロになります。小規模事業者にとって、この差は経営を大きく左右します。

2. 簡単導入・初期費用ゼロ

HashPortのサービスは、アプリをダウンロードしてアカウント登録するだけで導入可能です。専用端末の購入も、複雑な審査も不要。利用料や登録料もかかりません。

3. インバウンド需要への対応

ステーブルコインは世界的に利用が拡大しており、特にドル建てのステーブルコインの時価総額は約3,000億ドルに達しています。訪日外国人観光客の中には、自国でステーブルコインを保有している人も増えています。このような顧客層を取り込むチャンスになります。

4. 現金管理の手間削減

キャッシュレス決済が増えることで、レジ締めや釣り銭の準備、銀行への入金といった現金管理の手間が減ります。これは人件費の削減にもつながります。

5. 即時決済・24時間対応

ブロックチェーンは24時間365日稼働しているため、深夜や週末でも即座に決済が完了します。銀行の営業時間を気にする必要がありません。

消費者側の4つのメリット

1. ポイント還元やキャンペーン

HashPortは、JPYC配布キャンペーンなど、利用者向けの特典を定期的に実施しています。例えば、2025年10月のサービス開始時には、最大1億円相当のJPYCを配布するキャンペーンが行われました。こうした特典は、従来の決済方法以上のお得さをもたらします。

2. 新しい「お金」の体験

ステーブルコインを使うことで、次世代のデジタル金融を体験できます。これは、将来の金融リテラシーを高める良い機会になります。

3. 迅速な送金・決済

家族への仕送りや友人への割り勘など、個人間送金も数秒で完了します。従来の銀行送金では数百円の手数料がかかり、着金まで時間もかかりましたが、ステーブルコインならほぼゼロコストで即時送金が可能です。

4. グローバルな利用

海外でもステーブルコインを使える店舗が増えています。将来的には、旅行先でも同じウォレットを使って買い物ができるようになるでしょう。

投資家目線で見るステーブルコインの将来性

ここからは、投資初心者の方に向けて、ステーブルコイン市場の将来性について解説します。

急成長する市場規模

2026年現在、ステーブルコインの世界市場規模は約3,000億ドル(約48兆円)に達しており、2030年までには最大4兆ドル規模に成長する可能性があると予測されています。

主要なステーブルコインの時価総額を見てみましょう:

  • USDT(テザー):時価総額約28兆円超
  • USDC(USDコイン):大手金融機関も採用する信頼性の高いステーブルコイン
  • JPYC:日本初の正式認可された円建てステーブルコイン

この成長を支えているのは、決済や国際送金での利用拡大です。

世界の大手企業も注目

世界最大の資産運用会社ブラックロックは、2026年の投資展望レポートで「金融の未来」におけるステーブルコインの役割を強調しています。クロスボーダー決済(国際送金)や新興市場における現地通貨の代替手段としての成長可能性を示唆し、「急速に進むトークン化された金融システムに向けた、控えめながらも意義深い一歩だ」と評価しています。

また、VISAやMastercardといった国際的な決済ブランドもステーブルコインへの対応を進めており、VISAは現在、40以上の国・地域で130を超えるステーブルコイン連携カードプログラムを提供しています。

日本政府も本格的に推進

2026年1月26日、金融庁は組織再編を発表し、2026年夏に「暗号資産・ステーブルコイン課」を新設することを明らかにしました。これは、日本政府がステーブルコインを金融インフラとして本格的に位置づけ、規制整備と産業育成を同時に進める姿勢を示すものです。

また、日本では以下のような動きが加速しています:

  • メガバンク3行(三菱UFJ・三井住友・みずほ)による共同発行計画
  • ソニー銀行、あおぞら銀行などの発行準備
  • 北國銀行による地域通貨「トチカ」の実用化

投資機会としての可能性

ステーブルコイン自体は価格が安定しているため、ビットコインのような値上がり益は期待できません。しかし、ステーブルコインのエコシステム(経済圏)に関連する投資機会は多数あります:

  1. ステーブルコイン発行企業の株式:上場すれば投資対象に
  2. ブロックチェーン関連企業:インフラを提供する企業
  3. 決済サービス企業:HashPortのような事業者
  4. Web3関連銘柄:ブロックチェーン技術を活用する企業全般

また、ステーブルコインを活用したDeFi(分散型金融)では、預けることで利回りを得られるサービスもあります。ただし、これにはリスクも伴うため、しっかりとした知識と理解が必要です。

まとめ:キャッシュレス革命の新時代へ

今回ご紹介したHashPortのステーブルコイン決済無料サービスは、単なる決済手段の追加ではありません。これは、日本のキャッシュレス社会における大きな転換点となる可能性を秘めています。

この記事のポイント

  1. 手数料ゼロの実現:店舗も消費者も負担ゼロで決済可能
  2. ブロックチェーン技術の活用:中間業者を排除し、直接取引を実現
  3. 万博での実証成功:100万人以上が使用し、実用性を証明
  4. 日本政府の後押し:金融庁が専門部署を新設し、産業育成を推進
  5. グローバルな成長:市場規模は2030年までに4兆ドルに拡大の可能性

小規模店舗にこそメリット大

特に注目すべきは、これまで手数料負担が重くてキャッシュレス決済の導入をためらっていた小規模店舗にとって、大きなチャンスになるという点です。個人経営の飲食店、小売店、サービス業などが、手数料ゼロでキャッシュレス対応できる時代が来たのです。

消費者にとっても新しい体験

消費者側にとっても、次世代のデジタル金融を体験する良い機会です。キャンペーンやポイント還元を活用しながら、少額から始めてみるのも良いでしょう。

今後の展開に注目

HashPortのウォレットは、今後さらに多くのブロックチェーンに対応し、対応通貨も拡大していく予定です。また、Pontaポイントとの連携や、au PAY ギフトカードへの交換なども可能になっており、日常生活での利便性も高まっています。

2026年は、まさに日本における「ステーブルコイン元年」と言えるかもしれません。金融庁の組織再編、メガバンクの参入、そして今回のような無料決済サービスの登場。これらが重なり、ステーブルコインが一気に身近な存在になる可能性があります。

投資初心者の方も、まずは小さく始めて、この新しい金融の波を体験してみてはいかがでしょうか。ただし、新しい技術には必ずリスクも伴います。十分に理解し、余裕資金の範囲内で楽しむことが大切です。

キャッシュレス決済の新時代、一緒に見守っていきましょう!

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