以前の連載記事ではNFTをOpenseaなどのマーケットプレイスで購入する方法を説明しました。
しかし、マーケットプレイスで購入する以外にもNFTを入手する方法はあります。それが「ミント」です。ミントという言葉を、TwitterなどのSNSでもご覧になった方がいらっしゃるかもしれませんね。
本記事ではNFT初心者の方を対象として、NFTのミントについてマーケットプレイスでの購入と比較しながら説明しようと思います。本記事を読むことによりミントについて理解でき、ミントで購入するか、マーケットプレイスで購入するかを判断できるようになります。
ぼくは2022年3月に初めてNFTを購入し、2023年1月現在100体以上のNFTを保有しています。もちろんミントもマーケットプレイスでの購入も経験したことがあります。今回はぼくの経験から、ミントとマーケットプレイスでの購入を比較して説明してみようと思います。
ミントとは?
そもそもミントとは何でしょうか?ミントとは、画像データなどのデジタルコンテンツをNFTとして新規発行することを意味します。ここで、次の2種類の立場の方が、ミントする場合があることに注意が必要です。
- NFTクリエーター
- NFTコレクター
まず、NFTクリエーターのミントを説明します。クリエーターの方が、ご自身が作成したコンテンツをNFT化することを「ミントする」といいます。NFTクリエーターの方はミントすることにより、コンテンツをマーケットプレースに出品することができるようになります。
次に、NFTコレクターの方のミントです。コレクターの方が、プロジェクトが用意したミント用サイトを通じて、はじめてNFTの所有者になることを「ミントする」といいます。NFTコレクターの方は、マーケットプレイスではなく、ミント用サイトからNFTを購入するわけですね。
今回の記事では、後者であるNFTコレクターの方がミントすることにフォーカスして、説明してみたいと思います。
一次流通(ミント)と二次流通
先ほど説明したように、NFTコレクターの方がミントすると、そのNFTコレクターの方がはじめてのNFT所有者となります。よって、NFTコレクターの方がミントすることを「一次流通」と呼びます。一次流通の場合、NFTの売り手はプロジェクトの運営者になります。
一方、マーケットプレイスに出品されているNFTをNFTコレクターの方が購入することを「二次流通」と呼びます。二次流通の場合、NFTの売り手は出品者になります。
一次流通(ミント)と二次流通の比較
ここまで読んだ方は、ミント、及び一次流通と二次流通についてご理解いただけたかと思います。すると、新たな疑問がわいてきたと思います。
一次流通と二次流通って何が違うのか?
そこで、以降では一次流通(ミント)と二次流通を比較しながら、よりミントについて掘り下げてみることにしましょう。本記事では、次の5個の視点で比較してみることにします。
- 価格
- 入手タイミング
- 販売数
- 入手するまでの労力
- 絵柄の選択
価格
まず、価格について比較してみましょう。
一次流通(ミント)の場合、ミント前から価格が決まっていることがほとんどです。プロジェクトの運営方針により、運営者が価格を決めます。価格は様々ですが、中には無料のNFTもあります。フリーでミントできるため、「フリミン」とも呼ばれます。
一方、二次流通の場合、価格は定まっておらず、購入するタイミングによって価格は変動します。株などと同じように、いわゆる時価ですね。
それでは一次流通(ミント)と二次流通とで、どちらが割安なのでしょうか?それはNFTに依存します。
ミント後に人気が出たNFTは二次流通の価格が高騰する傾向にありますので、一次流通(ミント)の方が割安になります。
一方、ミント後に人気がなくなってしまったNFTは二次流通の価格が下がりますので、二次流通の方が割安になります。こうした現象を「ミント割れ」とも呼びます。一次流通(ミント)はミント割れのリスクを伴うことにも注意が必要です。
ミント前から非常に人気が高いプロジェクトをみつけ、ミント割れのリスクが小さいとみなさんが判断した場合、一次流通(ミント)は価格面でお得な選択となります。
入手タイミング
次に、入手タイミングについて比較してみましょう。
一次流通(ミント)の場合、プロジェクトの運営者が予めミント日時を公開しています。定められたミント期間しかミントすることはできません。もしかすると会社ではたらいている時間帯にミント日時が定められているかもしれません。そういったNFTはミントを諦めざるを得ません。
一方、二次流通の場合、マーケットプレイスに出品されていれば、いつでも購入することができます。
みなさんのお手すきの日時に購入できるといった面では、二次流通の方が自由度が高いですね。
販売数
次に、販売数について比較してみましょう。
一次流通(ミント)の場合、入手タイミングと同様に、プロジェクトの運営者が予めミント数を公開しています。ミント総数に加え、一人当たりのミント数も定めている場合が多いです。
ミント数を超えてしまった場合に、ミントすることはできません。人気があるNFTによっては、ミント開始後数分で完売してしまうような場合もあります。
一方、二次流通の場合、予算の許す限り、マーケットプレイスから希望する数量のNFTを購入することができます。
みなさんの希望する数量を購入できるといった面では、二次流通の方が自由度が高いですね。
入手までの労力
次に、入手までの労力を比較してみます。
一次流通(ミント)の場合、入手までが非常に大変です。NFTにもよりますが、ミントするためにはWL(White List: ホワイトリスト)やAL(Allow List: アローリスト)が必要となる場合が多いです。このWLやALを入手することが非常に大変なのです。
ここでWLやALとは、NFTの優先購入権という意味です。ALはNFTの購入が確約されているのに対し、WLは早押しなどの要因により必ずしも購入が確約されていない場合が多いです。WLとALの定義は、プロジェクトによって異なりますので、プロジェクトからのアナウンスを確認するようにしてください。
それではWLやALはどうやって入手するのでしょうか。
NFTによって入手方法は多岐に渡ります。一般的には、ミント前のプロジェクト活動に貢献した方に、その報酬としてWLやALを渡すことが多いようです。例えば、プロジェクトのDiscordにおける盛り上げやサポート、Twitterでの拡散などですね。いずれも一定の基準をクリアする必要がありますので、労力が必要になります。
中にはGiveawayと呼ばれる抽選キャンペーンを開催しているプロジェクトもあります。キャンペーンの当選者がALやWLを入手できるわけですね。こちらは労力というよりは運が必要になります。
一方、二次流通の場合、入手までの労力はほとんど必要ありません。入手したいと思ったときに入手することができます。
入手までの労力に関しては、二次流通の方が圧倒的に小さいといえます。
絵柄の選択
次に、絵柄の選択について比較してみます。
一次流通(ミント)の場合、基本的には絵柄は選択できません。ミント時にはどの絵柄なのかはわからず、ミントした後にはじめて絵柄を確認することができます。お好みの絵柄のNFTを獲得できるかどうかは運次第です。
一方、二次流通の場合、絵柄を自由に選択することができます。お好みの絵柄のNFTを入手したい方にとっては、二次流通しか選択肢はないですね。
戦略の例
一次流通(ミント)と二次流通の比較を説明いたしました。一般的には、一次流通(ミント)と二次流通はどちらが良い・悪いということではなく、両者の違いを理解したうえで、使い分けることが多いと思います。
NFTユーザーは、実際にどういう戦略で一次流通と二次流通を使い分けているのでしょうか。私が知っている例を紹介したいと思いますので、参考にしてみてください。
- 通常のNFTは一次流通(ミント)はしないで、価格変動を見極めて二次流通で購入。
- お気に入りのプロジェクトがみつかれば、一次流通(ミント)したうえで、お気に入りのNFTがあれば二次流通で追加購入。
- 予算が限られている場合、一次流通(ミント)だけする。
ミントのやり方
実際のミントのやり方はNFTによって異なります。プロジェクトの運営者がミント情報としてDiscordなどで公開していますので、ミント前に確認するようにしましょう。
ミントのやり方として、一次流通(ミント)と二次流通とで異なるのは、ミントサイトで入手するか、マーケットプレイスで入手するかだけです。その直前までのやり方はどちらも同じですので、以下の記事を参考にしていただけましたら幸いです。
① 心構え
② 取引口座開設
③ 仮想通貨購入
④ ウォレット準備
⑤ ウォレットへ送金
ミントの注意事項
最後に非常に重要な注意点があります!ミント情報は、必ず運営者が公開しているということを確認するようにしてください!!
あなたが確認しているミント情報は本当に運営者が公開している情報でしょうか?
運営者ではない人が提供している情報ではありませんか?
運営者になりすました人が提供している情報ではありませんか?
大変残念なことなのですが、偽のミント情報を流して、あなたのウォレットから仮想通貨やNFTを盗むような詐欺が横行しています。
こうした詐欺行為はミント日時直前にDiscordやTwitterに発生することに加え、「緊急ミント」などと称してあなたが急いでミントすることを促すような手口も散見されています。
ミントする際には、必ず運営者が公開している正しいミント情報であることを確認するようにしてください!それ以外の情報は全て詐欺だと疑って、絶対にアクセスしないように注意してください。
まとめ
以上、NFTのミントについて説明しました。まとめると以下の通りです。
- ミントとは?
- 一次流通(ミント)と二次流通
- 一次流通(ミント)と二次流通の比較
- 戦略の例
- ミントのやり方
- ミントの注意事項
一次流通(ミント)と二次流通を使い分けて、NFTを楽しみましょう!
尚、本記事を読んで「NFTって面白そう!」と思った好奇心たっぷりのあなた!NFT界隈のインフルエンサーでもあるイケハヤ氏がNFTで稼ぐ方法を解説しています。
ビジネス本1冊程度の価格でNFTについてより深い知見が得られますので、興味がある方はぜひ読んでみてください。このような体系的なNFTの解説は、他にはあまりないと思います。