【2027年スタート】こどもNISAで私立大4年分の学費は本当に準備できる?ジュニアNISAとの違いと積立シミュレーションを徹底解説

投資ニュース解説

はじめに:子どもの教育費、どうやって準備していますか?

「子どもが生まれたけど、教育費ってどれくらいかかるんだろう…」

「貯金だけじゃ足りないかも…」

そんな不安を感じているパパ・ママは多いのではないでしょうか。

2026年度税制改正大綱において、2027年から新たに「こどもNISA」がスタートすることが発表されました。少子高齢化が進む日本で、次世代の資産形成を国全体で後押しする制度として大きな注目を集めています。

【こどもNISA】ジュニアNISAとは何が違う?「私立大4年分の学費」は準備できる?最新の教育費データをみる! シミュレーション公開!月5万円を10年間、3%で積立投資「結果はどうなる?」 | LIMO | くらしとお金の経済メディア
2027年から新設される「こどもNISA」は0歳〜17歳を対象に最大600万円の非課税枠で教育資金を準備できる制度です。最新の学習費データに基づき、月5万円の積立投資で私立大学の学費をどこまでカバーできるか。

従来の「ジュニアNISA」は2023年末に廃止され、現行のNISA制度は18歳以上しか使えませんでした。そのため、0歳から17歳の子どもを対象とした非課税投資の「空白期間」がありました。そこに登場するのが、この「こどもNISA」です。

この記事では、「こどもNISAって何?」という入門的な説明から、実際に私立大学4年分の学費を準備できるのかまで、投資初心者の方にも分かりやすく解説します。シミュレーションも公開しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!

そもそも「こどもNISA」って何?制度の基本をサクッと理解しよう

NISAってどんな制度?まずおさらい

「NISA(ニーサ)」とは、少額投資非課税制度のことです。通常、株や投資信託で利益が出ると約20%の税金がかかりますが、NISA口座で運用した場合はその税金がゼロになる、とてもお得な制度です。

たとえば、投資で10万円の利益が出た場合、通常は約2万円が税金として引かれますが、NISA口座なら10万円まるごと手元に残ります。この差は長期的に見ると非常に大きくなります。

「こどもNISA」は2027年1月スタート予定

2025年12月19日に発表された「令和8年度税制改正大綱」に正式に盛り込まれ、2027年1月からの開始が決定しました。0歳から17歳の子どもを持つ親や祖父母が、子ども名義で投資できる制度です。

制度の詳細な運用ルールや対象商品の範囲などは2026年中に政令・省令で確定される予定ですが、現時点で示されている骨格は以下のとおりです。

項目内容
対象年齢0〜17歳(18歳以上は通常のNISA)
年間投資枠60万円
非課税保有限度額(総額)600万円
非課税保有期間無期限
投資対象商品長期分散投資に適した投資信託のみ
払い出し可能年齢原則12歳以降(子の同意が必要)
18歳以降の扱い大人のNISA(つみたて投資枠)へ自動移行/

ジュニアNISAとの違いは?何が改善されたの?

「前に似たような制度なかったっけ?」と感じた方、鋭い!そうです、以前は「ジュニアNISA」という制度がありました。2023年末に廃止されたのですが、その最大の理由は「使い勝手の悪さ」でした。

ジュニアNISAの問題点

2023年末まで存在した「ジュニアNISA」は、年間上限80万円で個別株など幅広い商品を対象としていましたが、原則として「18歳になる年の年末まで払い出しができない」厳格な制限があり、非課税期間も5年と限定的でした。制度終了の2023年度末時点の口座数は約104万件と、普及が限定的だった理由はこのあたりだと言われています。

つまり、せっかく子どものために積み立てていても、中学・高校の入学金や塾代が必要なときに引き出せないという不便さがありました。

こどもNISAで何が変わった?

こどもNISAは、ジュニアNISAの課題をほぼ解消した「進化版」です。主な改善点を比べてみましょう。

比較項目ジュニアNISA(廃止)こどもNISA(2027年〜)
年間投資枠80万円60万円
非課税保有期間5年(または18歳まで)無期限
払い出し制限原則18歳まで不可12歳以降は可能
投資対象幅広い(個別株も含む)投資信託のみ(安全重視)
18歳以降の扱い別途手続きが必要自動で大人のNISAへ移行

4つの大きなメリット

① 年間60万円まで非課税で運用できる

1年間で最大60万円(月5万円)まで、合計600万円の投資から得られた利益に税金がかかりません。20%の税金が非課税になるということは、10年・20年と長く続けるほど、その差が大きくなっていきます。

② 投資対象は「長期運用」向けの投資信託のみ

金融庁の基準を満たした、長期・積立・分散投資に適した投資信託に限定されています。「どの商品を選べばいいかわからない」という初心者でも、ハズレを引きにくい仕組みになっています。

③ 12歳から「払い出し」が可能に

12歳以降になれば、入学金や授業料などの教育費や生活費の支払い目的であれば、保護者が(子どもの同意を得て)引き出すことができます。かつての「ジュニアNISA」は、原則18歳まで引き出すことができませんでした。大学費用の準備を想定していると思われ、子どもの中学・高校の費用に柔軟にお金を使えないというデメリットがありました。

④ 18歳以降は「大人のNISA」へ自動移行

子どもが18歳に達した時点で、子供NISA口座は自動的に成人向けのNISA制度(つみたて投資枠・成長投資枠)に移行します。この時点で年間投資枠は360万円、生涯非課税保有限度額は1,800万円に拡大されます。

子どもの頃から始めた資産形成が、大人になっても途切れることなく続けられるのは大きな強みです。

教育費はいくらかかる?最新データで確認しよう

「実際に子どもの教育費って、いくら用意すればいいの?」というのが一番気になるところですよね。文部科学省の最新データ(令和5年度調査)をもとに確認してみましょう。

幼稚園〜高校の年間学習費(公立・私立別)

下の表は、保護者が学校教育および学校外活動(塾・習いごとなど)のために支出した費用の総額です。

学校種別公立私立
幼稚園約18.5万円/年約34.7万円/年
小学校約36.7万円/年約174.2万円/年
中学校約54.2万円/年約156.0万円/年
高校(全日制)約59.7万円/年約117.9万円/年

特に私立小学校の学費が突出して高いことがわかります。公立・私立どちらを選ぶかによって、教育費は大きく変わります。

大学の費用はいくら?

教育費のなかで最も大きな山となるのが「大学進学時」です。

初年度の費用(入学料+授業料+施設設備費)

私立大学の初年度納付金(全平均)は約136.5万円。ただし、学部によって大きな差があります:

  • 医歯系学部:約482万円(初年度)
  • 理科系学部:約153万円
  • 文科系学部:約118万円前後

4年間の総額イメージ

2年目以降は入学料が不要になるため、私立大学全平均では年間約112.5万円程度が目安となります。4年間の総額では約474万円が必要になる計算です。

すべて「私立」に進学した場合の教育費は、私立中学校(3年間)約430万円、私立高校(3年間)約316万円、私立大学・文系(4年間)約469万円で、総額は約1,215万円となります。

逆に、すべて「国公立」に進学した場合の教育費は、公立中学校(3年間)約162万円、公立高校(3年間)約154万円、国立大学(4年間)約248万円で、総額は約564万円です。

教育費のピークはいつ来る?

教育費の最大のヤマ場は「大学入学時」です。入学金・前期授業料・引越し費用・一人暮らしの初期費用などが一度に重なり、一気に100〜200万円以上の出費になることも珍しくありません。

こどもNISAは12歳以降に払い出しができるため、中学受験の塾代や高校入学時の費用にも活用できます。大学入学というゴールだけでなく、お子さんの進路に合わせた柔軟な資金計画が可能なのが魅力です。

月5万円・10年間・年率3%で積み立てたらいくらになる?シミュレーション公開!

「実際にこどもNISAを使ったら、どのくらいお金が増えるの?」という疑問に答えるため、金融庁の「つみたてシミュレーター」を用いたシミュレーション結果をご紹介します。

シミュレーション条件

  • 毎月の積立額:5万円(年間60万円の上限枠を満額活用)
  • 想定利回り:年率3%
  • 積立期間:10年間

シミュレーション結果

項目金額
元本(積立合計)600万円
  • 運用収益(利益) | 約97万円 | | 10年後の運用資産額 | 約697万円 |

なんと、積み立てるだけで約97万円もの”利益の上乗せ”が期待できます。しかも、NISAなのでこの97万円には税金がかかりません。通常なら約19万円が税金として引かれますが、それがまるごと手元に残るのです。

私立大4年分の学費をカバーできる?

この697万円という金額は、私立大学文系学部の4年間の学費(約474万円)を十分カバーできる水準です。さらに、一人暮らしの生活費や留学費用の足しにすることも可能です。

医歯系や理系の場合は学費がさらに高くなりますが、こどもNISAで準備した資金と、親のNISA・貯蓄を組み合わせることで対応できます。

少額から始めてもこれだけ差がつく

「月5万円はちょっとムリ…」という方も安心してください。少額でも積み立てる価値は十分にあります。

毎月の積立額10年後(年率3%)元本との差
1万円約139万円約19万円
2万円約279万円約39万円
3万円約418万円約58万円
5万円約697万円約97万円

積み立てる額が大きいほど、運用収益の差も広がっていきます。できる範囲で、無理なく始めることが大切です。

こどもNISAを始めるにあたって知っておきたいこと

投資にはリスクがある。これは絶対に覚えておこう

ここまで良い面ばかり紹介してきましたが、投資には必ずリスクが伴います。シミュレーションの「年率3%」はあくまで計算上の仮定であり、将来の運用成果を保証するものではありません

相場が下落した場合、「いざ引き出したい」というタイミングで資産が減っている可能性もゼロではありません。特に、子どもの進学という「必ずその時期に資金が必要」という場面では、元本割れのリスクを十分に理解した上で活用することが重要です。

貯金と投資のバランスが鍵

こどもNISAはあくまで「投資」であるため、教育資金のすべてをNISAだけで賄おうとするのはリスクが高いです。目安として:

  • 数年以内に使う予定のお金 → 預貯金で確保
  • 10年以上先の中・長期の教育資金 → こどもNISAで積み立て

というように、時期と目的に応じて使い分けることをおすすめします。

親のNISAとの組み合わせも有効

まずは親自身の1,800万円の枠を優先しましょう。親の枠が空いているのに子どもの枠を使うメリットは、教育目的を明確に分けること以外にはあまりありません。

親のNISAで運用しながら、子どものこどもNISAも活用することで、家族全体の非課税枠を最大限に使うことができます。

また、こどもNISAは、既存の「未成年口座」に紐づく形で提供されます。制度開始直後は申し込みが殺到するため、今のうちに銀行や証券会社で子どもの口座だけ開設しておくとスムーズです。

今からできる準備3ステップ

STEP1:子ども名義の口座を開設する 証券会社や銀行で未成年口座を開設しておきましょう。制度開始直後は混雑が予想されます。

STEP2:家族で教育方針・お金の計画を話し合う 「いつ」「いくら」必要かを夫婦で整理しておくと、積立額の設定がしやすくなります。

STEP3:親自身がNISAや投資信託の基礎知識を身につける どんな商品に積み立てるかは最終的に自分で判断します。今のうちから金融リテラシーを高めておきましょう。

まとめ:こどもNISAは「時間を味方にする」最強の教育資金準備ツール

2027年からスタートする「こどもNISA」は、ジュニアNISAの弱点を大幅に改善した、子育て世帯にとって非常に有利な制度です。

  • 年間60万円(総額600万円)まで非課税
  • 12歳から必要に応じて引き出し可能
  • 18歳以降は自動で大人のNISAへ移行
  • 月5万円を10年積み立てれば約697万円(シミュレーション)

教育費は「いつ、いくら必要か」がある程度予測しやすい支出です。だからこそ、早めに始めて時間を味方につけることで、将来の負担を大きく軽減できる可能性があります。

一方で、投資には元本割れのリスクもあります。「教育資金の一部を、長期的に育てる」という視点で活用するのが賢明です。預貯金との適切なバランスを保ちながら、2027年の制度スタートに向けて、今からしっかり準備を進めてみてはいかがでしょうか?

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