今、iDeCoとNISAに注目が集まる理由
「そろそろ資産形成を考えなきゃ」と思っている皆さんに朗報です。2026年から2027年にかけて、日本の資産形成を支える2つの大きな制度、「iDeCo」と「NISA」が大きく変わろうとしています。
2026年1月、トウシルの記事で、これらの制度拡充について詳しく解説されました。記事によると、iDeCoは2027年1月から拠出限度額が大幅に引き上げられ、NISAは18歳未満の子どもにも「つみたて投資枠」が解禁される見込みです。これは資産形成における大きな転換点となります。

「iDeCoって60歳まで引き出せないんでしょ?」
「NISAって難しそう…」
そんな不安を持っている方も多いかもしれません。でも安心してください。この記事では、投資初心者の皆さんに向けて、制度の違いから具体的な使い分け方まで、わかりやすく丁寧に解説していきます。
特に注目したいのは、「どちらか一方を選ぶ」のではなく、「それぞれの特徴を理解して、目的に応じて使い分ける」という考え方です。老後資金、教育資金、緊急時の備え…人生にはさまざまなお金の使い道がありますよね。それぞれの目的に合わせて、最適な制度を選ぶことが、賢い資産形成の第一歩なのです。
それでは、まず基本的な制度の違いから見ていきましょう!
iDeCoとNISA、そもそも何が違うの?基礎知識編
投資初心者の方にとって、「iDeCo」と「NISA」という2つの制度の違いは、最初はちょっと混乱するかもしれません。でも大丈夫!ここでは、それぞれの制度の特徴を、できるだけわかりやすく説明していきます。
NISAってどんな制度?
NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益にかかる税金をゼロにしてくれる制度です。通常、株や投資信託で利益が出ると、約20%の税金がかかります。100万円の利益が出たら、約20万円が税金で引かれてしまうんですね。でもNISAを使えば、この税金が一切かからないんです!
2024年に大幅にリニューアルされた新しいNISAには、2つの投資枠があります。
- つみたて投資枠:年間120万円まで、長期投資向けの投資信託を積み立てられる
- 成長投資枠:年間240万円まで、より幅広い商品に投資できる
最大の特徴は「いつでも自由に引き出せる」こと。急な出費が必要になったときでも、売却して現金化できるので、流動性(お金の使いやすさ)が高いんです。
iDeCoってどんな制度?
一方、iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金を作るための制度です。「確定拠出年金」という名前からもわかるように、将来の年金を自分で作っていくイメージですね。
iDeCoの最大の特徴は、「掛金が全額所得控除になる」という点です。これはNISAにはない、超強力なメリットなんです!
例えば、年収500万円の会社員の方が、毎月2万円(年間24万円)をiDeCoに拠出したとします。所得税率が20%だとすると、年間で約4.8万円も税金が安くなる計算です。つまり、積み立てるだけで税金が戻ってくるんですね。これに加えて、運用益も非課税。さらに、将来受け取るときも税制優遇があります。
ただし、「原則60歳まで引き出せない」というルールがあります。これは老後資金を確実に貯めるための仕組みなのですが、逆に言えば、「使いたくても使えない」という制約になります。
2つの制度、どう使い分ける?
ここまで読んで、なんとなく違いがわかってきましたか?簡単にまとめると、
- NISA:自由に引き出せる、運用益が非課税
- iDeCo:60歳まで引き出せない、掛金が所得控除+運用益も非課税
という特徴があります。つまり、「老後資金はiDeCo、それ以外の目的や流動性を残したいお金はNISA」という使い分けが基本になるんですね。
次に2027年に予定されているiDeCoの大改正について、詳しく見ていきましょう!
2027年iDeCo大改正!50代からでも遅くない理由
「iDeCoって若い人向けの制度でしょ?」
「50代の自分が今から始めても意味ないんじゃ…」
そう思っている方、ちょっと待ってください!2027年1月から予定されているiDeCoの大改正は、まさに50代以降の方にこそ注目してほしい内容なんです。
何が変わるの?iDeCo改正の3つのポイント
2027年1月から、iDeCoは次のように変わる見込みです。
1. 拠出限度額の大幅アップ
- 会社員(第2号被保険者):月2.3万円 → 月6.2万円(約2.7倍!)
- 自営業者(第1号被保険者):月6.8万円 → 月7.5万円
会社員の方の拠出限度額が、なんと月4万円近くも増えるんです。年間で考えると、これまでの27.6万円から74.4万円へ、約47万円も増える計算になります。
2. 加入可能年齢の延長 これまでは60~65歳が上限でしたが、70歳未満まで加入できるようになります。つまり、50歳で始めても、最長で20年近く積み立てられるんです。
3. より大きな節税効果 拠出額が増えれば、それだけ所得控除による節税効果も大きくなります。
50代からiDeCoを始めるメリット
「でも、50代から始めて意味あるの?」という疑問、よくわかります。実は、50代以降の方こそ、iDeCoのメリットが大きい理由があるんです。
理由1:税率が高い世代ほど節税効果が大きい
一般的に、50代は年収のピークを迎える時期。所得税率が高くなりやすい世代なんです。所得税率が高いということは、所得控除による節税効果も大きくなるということ。
例えば、年収800万円の55歳の会社員の方が、月6万円(年間72万円)をiDeCoに拠出したとします。所得税率が23%、住民税が10%として計算すると、年間で約23.8万円も税金が安くなる計算です。10年続ければ、約238万円の節税効果!これは見逃せませんよね。
理由2:公的年金加入中なら69歳まで拠出可能
2027年以降、公的年金(厚生年金や国民年金)に加入している限り、原則69歳まで拠出できるようになります。55歳で始めても、14年間は積み立てられるんです。
理由3:受取時期を選べる
60歳以降、70歳までの間で、受け取り開始時期を自分で選べます。まだ働いている間は受け取らず、完全にリタイアしてから受け取るという選択もできるんです。
実例で見る:50代からのiDeCo活用シミュレーション
具体的な数字で見てみましょう。
ケース:55歳会社員、年収750万円、月5万円を10年間積み立て
- 積立総額:600万円
- 節税効果(所得税20%+住民税10%):年間18万円 × 10年 = 180万円
- 運用益(年利3%と仮定):約95万円
- 合計:約875万円(元本600万円 + 節税180万円 + 運用益95万円)
このように、50代からでも十分に効果を得られることがわかります。しかも、これは運用益が非課税であることを考慮すると、実際にはもっと大きなメリットがあるんです。
注意点:無理は禁物
ただし、1つだけ注意点があります。それは、**「60歳まで引き出せない」**というルール。生活費や教育費、住宅ローンなどで手元資金が必要な場合は、無理にiDeCoに回すのは避けましょう。
まずは生活の基盤を固めて、「これは確実に老後資金として取っておける」という金額だけをiDeCoに回すのが鉄則です。
次はもう1つの大きな変化、「こどもNISA」について見ていきましょう!
こどもNISA創設へ!家族全体で考える資産形成
2026年度の税制改正大綱に、もう1つ注目すべき変更が盛り込まれました。それが「こどもNISA(仮称)」の創設です。これは、18歳未満の子どもにも「つみたて投資枠」を解禁するという画期的な制度なんです。
こどもNISAって何?
現在のNISAは18歳以上が対象ですが、こどもNISAでは0歳から17歳までの子どもも投資できるようになります。
制度の概要(予定)
- 対象年齢:0~17歳
- 年間投資枠:60万円
- 非課税保有限度額:600万円
- 18歳になったら通常のNISAに移行
かつて「ジュニアNISA」という似た制度がありましたが、2023年に終了しました。ジュニアNISAは「18歳まで原則引き出せない」という制約があり、使いづらさから利用が伸び悩んだんです。
今回創設が検討されているこどもNISAは、より使いやすい制度になることが期待されています。
なぜこどもNISAが必要なの?
「子どもに投資なんて、まだ早いんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。でも、実は子どもの将来を考えると、早く始めるほどメリットが大きいんです。
理由1:時間を味方にできる
投資の世界には「複利の力」という魔法のような効果があります。簡単に言うと、「利益がまた利益を生む」という仕組みです。
例えば、子どもが0歳のときから毎月5万円(年間60万円)を18年間積み立てたとします。年利3%で運用できたとすると、18歳時点では約1,330万円になる計算です(積立元本1,080万円+運用益約250万円)。しかも、この運用益250万円が非課税なんです!
理由2:教育資金の準備に最適
大学の学費、下宿費用、留学費用…子どもの教育にはお金がかかります。文部科学省の調査によると、私立大学4年間の学費平均は約400~500万円。これに生活費を加えると、1,000万円以上かかることも珍しくありません。
こどもNISAで早めに準備を始めれば、複利の力を最大限に活かして、無理なく教育資金を貯められるんです。
理由3:金融教育の実践にもなる
子ども名義で資産形成を行うことで、お金の大切さや投資の仕組みを実践的に学ぶ機会にもなります。「自分の口座でお金が増えていく」という体験は、将来の金融リテラシー向上にもつながるでしょう。
制度開始前に準備しておくべきこと
こどもNISAの詳細は今後決定されますが、制度が始まってから慌てないためにも、今から準備しておくことが大切です。
準備1:家計の見直し 毎月どれくらい投資に回せるか、家計を見直してみましょう。親のNISA、iDeCo、そしてこどもNISAと、家族全体で考える必要があります。
準備2:投資の基礎知識を学ぶ つみたて投資の仕組み、投資信託の選び方など、基本的な知識を身につけておきましょう。金融庁のウェブサイトには、わかりやすい教材がたくさんあります。
準備3:証券口座の開設を検討 すでにNISA口座を持っている証券会社で、こどもNISA口座も開設できる可能性が高いです。口座開設には時間がかかることもあるので、早めの準備がおすすめです。
家族全体で考える資産形成
こどもNISAが創設されれば、家族全体での資産形成がより戦略的に行えるようになります。
家族4人(夫婦+子ども2人)の場合の非課税投資枠(年間)
- 父親:NISA 360万円(つみたて120万円+成長投資240万円)
- 母親:NISA 360万円
- 子ども1:こどもNISA 60万円
- 子ども2:こどもNISA 60万円
- 合計:840万円
これだけの金額を非課税で運用できるようになるんです。もちろん、全額使う必要はありませんが、選択肢が広がることは間違いありません。
次はこれらの制度をどう使い分けるか、具体的な戦略を見ていきましょう!
目的別!iDeCo・NISA・こどもNISAの賢い使い分け戦略
ここまで、iDeCo、NISA、こどもNISAの3つの制度について詳しく見てきました。最後に、最も重要な「どう使い分けるか」について、具体的な戦略を考えていきましょう。
基本の考え方:「何のためのお金か」で決める
資産形成で最も大切なのは、「何のために、いつ使うお金なのか」を明確にすることです。制度ありきで考えるのではなく、目的から逆算して制度を選ぶのが正解なんです。
目的別おすすめ活用法
【目的1:老後資金】→ iDeCoを優先
定年退職後の生活費、旅行資金、医療費など、老後に必要なお金は、iDeCoで準備するのが最適です。
メリット
- 積み立てた瞬間から節税効果がある
- 運用益も非課税
- 60歳まで引き出せないので、確実に老後資金として残せる
おすすめの人
- 安定した収入があり、老後まで資金を固定できる人
- 所得税率が高い人(節税効果が大きい)
- 40代~50代で、今から老後資金を本格的に準備したい人
【目的2:マイホーム購入、車の買い替え、旅行資金】→ NISAを活用
5年後、10年後に使う予定のあるお金や、いざというときに引き出したいお金は、NISAで運用しましょう。
メリット
- いつでも自由に引き出せる
- 運用益が非課税
- 年間360万円まで投資できる(つみたて120万円+成長投資240万円)
おすすめの人
- 数年後に大きな出費が予定されている人
- 緊急時の備えとして、ある程度の流動性を保ちたい人
- まとまった資金を短期~中期で運用したい人
【目的3:子どもの教育資金、将来資金】→ こどもNISA
大学の学費、留学費用、社会人になる際の資金援助など、子どもの将来のためのお金は、こどもNISAで準備しましょう。
メリット
- 長期間(最長18年間)の複利効果を最大限に活かせる
- 運用益が非課税
- 子ども名義で資産形成ができる
おすすめの人
- 小さいお子さんがいる家庭
- 教育資金を計画的に準備したい人
- 家族全体での資産形成を考えたい人
具体的シミュレーション:3つのケース
より具体的にイメージできるよう、3つのケースでシミュレーションしてみましょう。
ケース1:30代共働き夫婦+子ども1人
- 世帯年収:900万円
- 毎月の投資可能額:12万円
配分例
- 夫:iDeCo 2万円(老後資金)+ NISA つみたて5万円(住宅購入資金)
- 妻:iDeCo 2万円(老後資金)
- 子:こどもNISA 3万円(教育資金)
- 合計:12万円
この配分なら、老後資金、住宅購入資金、教育資金とバランスよく準備できますね。
ケース2:50代夫婦(子ども独立済み)
- 世帯年収:1,200万円
- 毎月の投資可能額:20万円
配分例
- 夫:iDeCo 6万円(2027年以降の上限)+ NISA つみたて4万円
- 妻:iDeCo 4万円 + NISA つみたて6万円
- 合計:20万円
子どもが独立しているので、老後資金の準備を最優先。高い所得税率を活かして、iDeCoの節税効果を最大化する戦略です。
ケース3:自営業者+専業主婦+子ども2人
- 世帯年収:600万円
- 毎月の投資可能額:8万円
配分例
- 夫:iDeCo 4万円(老後資金)
- 妻:NISA つみたて2万円(緊急時の備え)
- 子1:こどもNISA 1万円
- 子2:こどもNISA 1万円
- 合計:8万円
自営業者は退職金がないため、iDeCoでしっかり老後資金を準備。専業主婦の妻は、流動性の高いNISAで家計の安全弁を確保する戦略です。
投資初心者が守るべき3つのルール
最後に、投資初心者の方が覚えておくべき大切なルールを3つお伝えします。
ルール1:生活防衛資金を確保してから
投資を始める前に、まず生活費の6か月分~1年分の現金を確保しましょう。これは「生活防衛資金」と呼ばれ、急な失業や病気、家電の故障などに対応するための大切なお金です。
ルール2:無理のない金額から始める
いきなり上限いっぱいまで投資する必要はありません。まずは月1万円、2万円から始めて、慣れてきたら徐々に増やしていくのがおすすめです。
ルール3:長期・分散・積立が基本
投資の基本は「長期・分散・積立」です。短期的な値動きに一喜一憂せず、コツコツと積み立てを続けることが成功の秘訣。つみたてNISAやiDeCoは、まさにこの原則に沿った制度なんです。
2026年は「準備の年」と考えよう
制度拡充が本格化するのは2027年以降。つまり、2026年は「準備の年」と位置づけることができます。
この1年間で、
- 家計を見直して、投資に回せる金額を把握する
- 投資の基礎知識を学ぶ
- 証券口座を開設する
- 少額から投資を始めて、経験を積む
といった準備をしておけば、制度拡充のタイミングでスムーズにスタートできます。焦る必要はありません。着実に準備を進めていきましょう。
まとめ:制度を味方に、自分らしい資産形成を
ここまで、iDeCo、NISA、こどもNISAという3つの制度について、詳しく見てきました。最後に、この記事のポイントをまとめておきましょう。
この記事の重要ポイント
1. 制度拡充は大きなチャンス 2027年のiDeCo改正、こどもNISA創設は、資産形成における大きな転換点。特に会社員の方のiDeCo拠出限度額が月6.2万円に増えるのは、見逃せない変更です。
2. 50代からでも決して遅くない iDeCoは「若い人向け」ではありません。税率が高い50代こそ節税効果が大きく、2027年以降は70歳未満まで加入可能。50歳で始めても20年近く積み立てられます。
3. 目的に応じた使い分けが鍵
- 老後資金 → iDeCo(節税効果+確実な貯蓄)
- 流動性が必要な資金 → NISA(自由に引き出せる)
- 子どもの将来資金 → こどもNISA(長期の複利効果)
どれか1つを選ぶのではなく、それぞれの特徴を活かして使い分けることが、賢い資産形成の近道です。
4. 家族全体で考える時代に これからは個人単位ではなく、家族全体での資産形成を考える時代。父親、母親、子どもそれぞれの口座を活用することで、年間数百万円の非課税投資枠を確保できます。
5. 2026年は準備の年 制度が本格的に拡充するのは2027年以降。2026年のうちに、家計の見直し、知識の習得、口座開設などの準備を整えておきましょう。焦って投資額を増やす必要はありません。
最後に:資産運用は「未来の自分への贈り物」
資産運用というと、難しく感じるかもしれません。でも本質は、とてもシンプルです。それは「お金を今使うか、将来使うために取っておくか」という選択の違いでしかないんです。
将来のために取っておくと決めたお金を、ただ預金として寝かせておくのではなく、時間を味方につけて運用しながら備える。iDeCoやNISAは、その選択を後押しし、税制面でもサポートしてくれる、とてもありがたい制度なのです。
大切なのは、制度活用そのものを目的にするのではなく、「いつ、何のためにお金を使いたいのか」という視点から逆算して考えること。そして、無理のない範囲で、コツコツと続けることです。

