【投資初心者必見】銀行の窓口でカモにされるな!「プロのおすすめ」に潜む罠と正しい資産防衛術

投資ニュース解説

突然ですが質問です。

あなたは、大切なお金のことを誰に相談していますか? もし、「近所の銀行の窓口に行って、親切な行員さんに相談しようかな」と考えているなら、ちょっと待ってください!

厳しいことを言うようですが、何も知らずに金融機関の窓口に行くのは、まさに「カモがネギを背負って鍋に飛び込む」ようなものなのです。

今回は、2025年12月14日にゴールドオンラインに掲載された経済評論家・塚崎公義氏の記事をもとに、投資初心者が陥りやすい「金融商品の罠」と、そこから資産を守るための「賢い考え方」について、わかりやすく解説していきます。

えっ、多額の費用がかかるのに!?…金融商品「なんだか、すごそう」な印象だけでサクッと購入する、恐ろしいリスク【経済評論家が戦慄】 | ゴールドオンライン
日常の買い物をするとき「吟味もせずにポイポイ買う」人はかなりの少数派ではないでしょうか。ところが金融商品の購入となると、どうやら事情が異なるようです。かなりの高額商品にもかかわらず、「窓口でお勧めされたから」「高度ですごそうな商品だから」と...

この記事を読めば、「なんとなくすごそう」な商品に手を出して後悔することなく、シンプルで確実性の高い資産形成への第一歩が踏み出せるようになりますよ。

多額の費用がかかるのに「雰囲気」で買ってしまう日本人

まずは、今回のテーマとなるニュースを簡単にご紹介します。

記事概要 経済評論家の塚崎公義氏は、多くの人が洋服選びには慎重なのに、金融商品になると「窓口でおすすめされたから」「なんだかすごそうだから」という理由だけで、中身を理解せずに購入している現状に警鐘を鳴らしています。 金融機関の「おすすめ」は、顧客の利益ではなく「売り手の利益(手数料)」が高い商品である可能性が高く、複雑な仕組みの商品には大きなリスクが潜んでいます。 結論として、理解できない商品には手を出さず、「全世界株の積立」のようにシンプルで「自分でタイミングを決めない」投資こそが初心者にとっての正解であると説いています。

出典:2025.12.14 塚崎 公義「えっ、多額の費用がかかるのに!?…金融商品「なんだか、すごそう」な印象だけでサクッと購入する、恐ろしいリスク」

この記事が指摘しているのは、日本人の多くが持っている「専門家への盲目的な信頼」の危うさです。 お医者さんに病気のことを任せるように、お金のこともプロに任せれば安心……と思ってしまいがちですが、金融の世界ではその常識が通用しないことが多いのです。

なぜなら、金融機関の窓口に座っている人は、あなたの資産を増やすパートナーである以前に、「商品を売って利益を上げる会社の営業マン」だからです。

「無料相談」の裏側にあるビジネスモデルを知ろう

「資産運用の相談、無料で承ります!」

街中の銀行や保険ショップで、こんな看板をよく見かけますよね。「プロのアドバイスがタダで聞けるなんてお得!」と思うかもしれませんが、ここには大きな落とし穴があります。

「タダほど高いものはない」の真実

まず前提として知っておいてほしいのは、金融機関(銀行・証券会社・保険会社)は営利企業であるということです。彼らはボランティアで相談に乗っているわけではありません。

彼らの主な収益源は、金融商品を販売した際に得られる「手数料」です。 ここに、投資家(あなた)と販売者(金融機関)の間で、致命的な「利益相反(りえきそうはん)」が生まれます。

  • 投資家(あなた):手数料などのコストを安く抑えて、効率よく資産を増やしたい。
  • 販売者(金融機関):手数料が高い商品を売って、会社の利益を最大化したい。

つまり、窓口で紹介される「お客様にぴったりの商品」という言葉は、翻訳すると「(会社にとって)利益率が高く、今売りたい商品」である可能性が非常に高いのです。

ネット証券と対面証券の手数料格差

具体的な数字で見てみましょう。 例えば、同じような内容の投資信託を購入する場合でも、ネット証券と対面型の銀行・証券会社ではコストが雲泥の差になります。

  • 販売手数料(購入時にかかるお金)
    • ネット証券:0円(ノーロード)が主流
    • 対面窓口:購入額の2%〜3%程度
  • 信託報酬(持っている間ずっとかかる管理費用)
    • 優良なインデックスファンド(ネット):年率0.1%以下
    • 窓口で勧められるアクティブファンド等:年率1.5%〜2%

もし1000万円を投資する場合、窓口で購入するだけで最初に30万円も引かれ、さらに毎年20万円近い手数料が引かれ続ける……なんてことも珍しくありません。これでは、運用で利益を出す以前に、コスト負けしてしまいます。

解説:ファイナンシャルプランナー(FP)への相談は? 「無料で家計診断します」というFPも、多くは保険会社などの代理店契約を結んでおり、最終的には保険商品の販売コミッションで稼いでいます。 本当に中立的なアドバイスが欲しい場合は、「商品は販売せず、相談料(タイムチャージ)だけで生計を立てている独立系FP」にお金を払って相談するのが一番安上がりです。

「複雑で高利回り」な商品には絶対手を出さない

記事の中で塚崎氏は、「ノーベル賞学者の数式」「リバースデュアルカレンシー債券」といった「なんだかすごそうな商品」への警告を発しています。

投資の世界には、一つの鉄則があります。 それは、「リスクとリターンは表裏一体」だということです。 「ローリスク・ハイリターン」の商品は、詐欺以外には存在しません。しかし、「一見ローリスクに見えて、実はハイリスク」な商品は山のように存在します。

複雑な商品はリスクの隠れ蓑

銀行の窓口でよく提案されるのが、「仕組み債」と呼ばれる商品や、複雑な条件がついた投資信託です。

  • 「株価が半分にならなければ、高い利回りがもらえますよ」
  • 「トヨタのような大企業が倒産しない限り、元本は守られます」

こう言われると、「トヨタが倒産するなんてありえないし、株価が半分になることもそうそうないだろう。じゃあ、定期預金よりずっとお得だ!」と思ってしまいますよね。

しかし、プロがわざわざ複雑な計算をして商品を設計しているのには理由があります。 それは、「滅多に起きないけれど、起きたら破滅的な損害が出るリスク」を顧客に転嫁するためです。

リーマンショックの教訓を忘れない

2008年のリーマンショックの原因の一つは、「サブプライムローン」という低所得者向け住宅ローンを証券化し、複雑に組み合わせてリスクを見えにくくした金融商品でした。 中身が複雑すぎて、格付け機関やプロの投資家でさえ、本当のリスクを把握できていなかったのです。

その結果、一度歯車が狂うと連鎖的に破綻し、世界中の投資家が大損害を被りました。

私たちがここから学ぶべき教訓はシンプルです。 「自分が完全に理解できない(小学生に説明できない)商品には、1円も出してはいけない」 ということです。

  • どうなったら利益が出るのか?
  • どうなったら損をするのか?
  • 手数料はいくらかかっているのか?

これらが一目でわからない商品は、どんなに「AI搭載」とか「高利回り」と謳われていても、スルーするのが正解です。

投資の正解は「自分で決めない」ことにある

では、手数料の高い窓口商品もダメ、複雑な商品もダメとなると、私たち初心者はどうすればいいのでしょうか? 塚崎氏が提案する答えは非常にシンプルです。

「世界中の株を少しずつ買う投資信託を、毎月定額で積み立てる」

これだけです。そして重要なのは、「自分で判断しない(予測しない)」というルールを徹底することです。

なぜ「全世界株式」なのか?

「どの株が上がるか」を当てるのは、プロでも至難の業です。 20年前、今のAppleやAmazonの隆盛を正確に予測できた人がどれだけいたでしょうか?逆に、当時絶好調だった企業が消えていることもあります。

特定の国や企業に賭けるのではなく、「世界経済全体は、長期的には成長し続ける」という前提に立ち、世界中の主要企業の株をまるごとパックで買う。これが「全世界株式(オール・カントリー)」への投資です。 これなら、アメリカが好調な時も、新興国が伸びてくる時も、その恩恵を漏らさず受け取ることができます。

ドル・コスト平均法の魔法

次に「いつ買うか」の問題です。 「今は安いから買い時?」「もう少し下がってから?」と考えると、結局買えなかったり、高値掴みをしてしまったりします。

そこで、「毎月1万円」のように金額を決めて淡々と買い続ける(積立投資)のです。これを「ドル・コスト平均法」と呼びます。

  • 価格が高い時:買える口数が少なくなる(高値掴みを防ぐ)
  • 価格が安い時:買える口数が多くなる(安くたくさん仕込める)

この仕組みにより、平均購入単価を自然と平準化でき、暴落時でさえ「安くたくさん買えるチャンス」と前向きに捉えることができます。

感情を排除するシステムを作る

投資で失敗する最大の原因は「人間の感情」です。

  • 株価が上がると:「もっと上がるはず!」と興奮して買い増す(→直後に暴落)
  • 株価が下がると:「もうダメだ、資産がゼロになる!」と恐怖してすべて売る(→直後に回復)

この「狼狽売り」が一番の資産減少要因です。 「自分で決めない=自動積立設定にする」ことで、感情が入り込む余地をなくすことこそが、最強の投資戦略なのです。

これから投資を始める人がとるべき具体的アクション

ここまで読んで、「じゃあ具体的にどう動けばいいの?」と思った方へ。 今日からできるアクションプランをまとめました。

1. ネット証券に口座を開く

まず、銀行の窓口には行かないでください。 SBI証券や楽天証券、マネックス証券などの主要ネット証券に口座を開きましょう。 これらは口座開設費も維持費も無料で、先ほど説明した「低コストな優良商品」が豊富に揃っています。スマホ一つで完結しますし、営業電話がかかってくることもありません。

2. NISA(新NISA)を活用する

投資をするなら、国が用意した非課税制度「NISA」を使わない手はありません。 通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座ならそれが一生涯非課税になります。 まずは「つみたて投資枠」を使って、非課税メリットを最大限活かしましょう。

3. 「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などを選ぶ

ネット証券のランキング上位にある、手数料(信託報酬)が激安のインデックスファンドを選びましょう。 もっとも代表的なのが「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。信託報酬は年率$0.05%$台(2025年時点)と驚異的な安さで、これ一本で世界中に分散投資ができます。 もちろん、米国株に特化した「S&P500」連動型なども人気ですが、より分散を効かせるなら全世界株が「ほったらかし」には向いています。

4. クレジットカード積立を設定して、あとは忘れる

毎月の積立設定(例えば月3万円など)をしたら、あとはログインパスワードを忘れるくらい放置するのが理想です。 日々のニュースで「大暴落!」と騒がれても、設定を解除してはいけません。 記事にもあった通り、「初心者が狼狽売りをすると、そこで暴落が止まって株価が戻る」というのは相場の「あるある」です。 「下がった時こそ、種まきの時期」と信じて、ルールを守り続けましょう。

まとめ:知識武装をして、自分自身で資産を守ろう

今回は「金融機関の窓口リスク」と「正しい投資の始め方」について解説しました。

  1. 金融機関は営利企業: 「窓口のおすすめ」は「手数料が高い商品」である可能性が高いと疑おう。
  2. わからないものには投資しない: 「仕組み債」などの複雑な商品はリスクが見えにくいので避ける。
  3. 予測しない投資が最強: 「全世界株式」への「積立投資」なら、タイミングも銘柄選びも不要。
  4. ネット証券とNISAを活用する: コストを最小限に抑えることが、利益を最大化する近道。

投資は、決して怖いものでも、ギャンブルでもありません。 正しい知識と、適切な商品選び、そして「時間を味方につける」姿勢があれば、誰でも着実に資産を築くことができます。

「カモ」にならないための最大の武器は、あなた自身の「知識」です。 まずはネット証券のサイトを見てみることから、小さな一歩を踏み出してみませんか?

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