2026年度の年金額改定ニュース — 4年連続のプラス改定!
「老後のお金、大丈夫かな…」と不安を感じながらも、年金のことはなんとなく後回しにしていませんか?
2026年1月、厚生労働省から 2026年度(令和8年度)の公的年金額改定 が発表されました。国民年金(老齢基礎年金)は前年度から 1.9% の引き上げ、厚生年金(報酬比例部分)は 2.0% の引き上げとなり、4年連続のプラス改定となっています。

具体的な金額をみると、国民年金の満額が月額 7万608円 となり、7万円台に乗るのははじめてのことです。また、夫婦2人分の標準的な年金受給額(モデルケース)は月額 23万7,279円 となりました。
一見「増えた!」と喜べる数字ですが、実は物価上昇のペースには追いついていません。給付抑制措置「マクロ経済スライド」が4年連続で発動しているため、年金支給額の増加率は物価・賃金の伸びよりも低く抑えられています。
マクロ経済スライドとは? 年金財政を将来にわたって維持するため、物価や賃金が上がっても年金の増加率を意図的に少し抑える仕組みのことです。少子高齢化で現役世代が減っても年金制度が持続できるように設計されています。
この記事では、2026年度の改定内容をわかりやすく整理したうえで、「月15万円以上の年金をもらえる人って実際どのくらいいるの?」という疑問にもデータで答えていきます。さらに、自分の老後資金をどう準備していくべきかも一緒に考えていきましょう!
日本の公的年金制度の仕組み — まずはここから!
「そもそも年金の仕組みってよくわからない…」という方のために、基本からやさしく整理します。
日本の年金は「2階建て構造」
日本の公的年金は、国民年金と厚生年金の 「2階建て」 でできています。
【1階部分:国民年金(基礎年金)】 20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する年金です。2026年度の保険料は月額 1万7,920円(前年度の1万7,510円から引き上げ)。40年間きっちり払い続ければ、65歳から月額 7万608円 を一生涯受け取れます。
自営業・フリーランス・専業主婦(主夫)など、会社員以外の方が受け取るのは原則としてこの国民年金のみです。満額でも月7万円を若干上回る程度であることを覚えておきましょう。
【2階部分:厚生年金】 会社員や公務員が、国民年金の上乗せとして加入する年金です。現役時代の給料や加入期間が長いほど、将来の受給額が増える仕組みになっています。会社員の方は給与から自動的に天引きされているため、知らないうちに積み立てられています(会社が保険料の半分を負担しています)。
モデルケースで見る2026年度の年金額
厚生年金を中心に加入した場合の平均的なモデルとして、基礎年金約6万9,951円に厚生年金約10万6,842円が上乗せされ、合計 約17万3,457円(1人分) という目安が示されています。
一方、自営業など国民年金のみ加入が中心だった方の場合は合計 約6万3,513円 と、大きな差があります。加入していた年金の種類と期間によって、将来の受給額は 大きく変わります。「自分はどちらに当てはまるか」を意識してみてください。
繰下げ受給という選択肢
年金は通常65歳から受け取れますが、受け取り開始を遅らせる「繰下げ受給」という制度もあります。66歳〜75歳の間で受給開始を遅らせると、1カ月ごとに 0.7%ずつ増額 されます。75歳まで遅らせると最大 84%増 になります。ただし、健康状態や家計状況によって向き不向きがあるため、一概に「遅らせれば得」とは言い切れません。自分のライフプランに合わせて検討しましょう。
「月15万円以上」もらえる人はどのくらいいる?実態データを公開
「結局、老後に年金はいくらもらえるの?」——これは多くの方が気になる疑問ですね。厚生労働省の最新データをもとに、実態を見ていきましょう。
厚生年金受給者の平均月額
厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額は以下のとおりです。
- 全体平均:15万289円
- 男性平均:16万9,967円
- 女性平均:11万1,413円
全体の平均は約15万円ですが、男女で約6万円もの差があります。この違いは、厚生年金の受給額が現役時代の賃金水準や加入期間によって決まる仕組みによるものです。出産・育児などをきっかけに就業形態が変わったり仕事を離れたりするケースが多かった女性世代では、加入期間や賃金水準の差が年金額に反映されやすい傾向があります。
月15万円以上受け取っている人の割合
ニュースのテーマにもなった「月15万円以上」の受給者はどのくらいいるのでしょうか。
厚生労働省の資料によると、厚生年金受給者全体の約49.8%(ほぼ半数) が月15万円以上を受け取っています。
「意外と多い」と感じた方もいるかもしれません。ただし、注意すべき重要なポイントがあります。
「額面」と「手取り」は違う!
ここでいう「月15万円」はあくまで 支給額(額面) です。実際に銀行口座に振り込まれる金額(手取り)は、これより少なくなります。
年金からは以下の費用が 自動的に天引き されます。
- 所得税・住民税
- 介護保険料(40歳以上)
- 後期高齢者医療保険料(75歳以上)
天引きされる合計額は個人差がありますが、数千円〜1万円以上が差し引かれるのが一般的です。「月15万円もらえると思っていたのに、振込額が思ったより少ない」とならないよう、あらかじめ把握しておくことが大切です。
自分の年金見込み額を確認しよう
老後の資金計画を立てるうえで、まず「自分はいくらもらえるのか」を知ることが第一歩です。確認方法は2つあります。
①ねんきん定期便:毎年誕生月に日本年金機構から郵送で届きます。これまでの加入実績や見込み額が記載されています。
②ねんきんネット:インターネットで加入履歴や年金見込み額をいつでも確認できます(マイナンバーカードまたは専用IDで登録可能)。
「ねんきんネットは登録が面倒そう…」と思うかもしれませんが、老後の計画を立てるうえで非常に役立つツールです。ぜひ一度確認してみてください。
2025年の年金制度改正で何が変わる?iDeCo・企業型DCの見直しポイント
公的年金だけで老後を安心して暮らせる保証はありません。そこで注目したいのが「私的年金」の活用です。2025年6月に成立した年金制度改正法では、私的年金についても大きな見直しが加えられました。
iDeCoの加入可能年齢が70歳未満まで拡大
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金) は、自分で掛金を積み立てて運用し、老後に受け取る制度です。掛金が全額所得控除になるため、現役世代には大きな節税メリットがあります。
これまでiDeCoは「国民年金の被保険者である65歳未満」が基本的な加入条件でしたが、今回の改正で 3年以内に70歳未満まで加入可能 になる予定です。
定年後に再雇用として働いている方や、フリーランスとして活動している方でも、年金を受け取り始めていなければiDeCoを継続・新規活用できるようになります。「定年後もiDeCoで積み立てを続けたい」という方には朗報ですね。
企業型DCの拠出限度額が拡充
企業型DC(企業型確定拠出年金) とは、会社が掛金を出して従業員が運用する退職金制度の一種です。
従来は、従業員自身が上乗せできる「マッチング拠出」の金額が、会社の掛金の範囲内に制限されていました。今回の改正(3年以内に実施)でこの上限が撤廃される見込みです。自分でより多くの掛金を積み立てられるようになり、老後に向けた資産形成の幅が広がります。
企業年金の「見える化」が進む
企業年金については、5年以内に 運営状況の情報開示が強化される予定です。厚生労働省が企業年金の情報をとりまとめて公表することで、他社との比較・分析が可能になります。「自分の会社の企業年金、ちゃんと運営されているの?」という疑問に客観的に答えられるようになり、制度への理解が深まることが期待されています。
「106万円の壁」撤廃の動きにも注目
今回の改正では、社会保険の加入要件を緩和する「年収106万円の壁の撤廃」に向けた取り組みも含まれています。これにより、パートや短時間労働者でも社会保険(厚生年金)に加入しやすくなり、将来の年金受給額が増える可能性があります。特に扶養範囲内で働いている方は、今後の動向に注目しましょう。
投資初心者が今からできる老後資金の備え方
「公的年金だけでは足りないかもしれない」と感じた方へ。ここでは、投資初心者でも取り組めるお金の備え方を整理します。
まずは「老後のゴール」を数字で考える
老後に必要なお金の目安として、総務省の家計調査では 65歳以上・2人暮らし世帯の消費支出は月約25万円程度 とされています(物価上昇に伴い増加傾向)。
2026年度のモデルケースで夫婦の年金額が月23万7,279円だとすると、月に 約1〜2万円の不足 が生じる計算です。これが20〜30年続くと、総額は 240〜720万円以上 になります。「公的年金 + 私的年金・資産運用 + 貯蓄」の3つを組み合わせて、この不足分を補う発想が重要です。
初心者におすすめの3ステップ
STEP1:ねんきんネットで自分の年金見込み額を確認する まず「公的年金でいくらもらえるか」を把握することが出発点です。ここをスキップすると、必要な備えの量が見えません。
STEP2:iDeCoやNISAで「税制優遇」を活用した積み立てを始める iDeCoは節税しながら老後資金を積み立てられる制度で、年間の掛金が全額所得控除になります。NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。2024年から「新NISA」として制度が大幅に拡充されており、非課税枠が大きく広がっています。どちらも「自分のペースで少額から始められる」点が初心者向きです。月1万円〜でも長期で積み立てれば、複利の力で着実に資産が育ちます。
STEP3:老後に向けた「生活費の見直し」も同時進行 積み立てと並行して、支出の見直しも大切です。固定費(保険・通信費・サブスクリプション等)を削減し、その分を積み立てに回す習慣をつけるだけで、老後の安心感がぐっと変わります。
「年金が増えた」で安心しないことが大切
今回の2026年度改定では年金額は確かに増えましたが、インフレ下で年金額の上昇率を物価・賃金の伸びよりも抑える抑制措置が定着しつつあり、将来の給付水準に不安が残る状況であることに変わりはありません。「年金が増えた!」というニュースに安心して何もしないのではなく、この機会に自分の老後設計を見直すきっかけにしてください。
まとめ
今回は、2026年度の年金額改定内容と、月15万円以上の年金をもらえる人の実態、そして老後資金の備え方について解説しました。
ポイントをおさらいすると、国民年金は1.9%・厚生年金は2.0%の引き上げで4年連続のプラス改定となりましたが、物価上昇には追いついていないのが現実です。厚生年金受給者の約半数が月15万円以上を受け取っている一方、それはあくまで額面ベースであり、税金や社会保険料が天引きされた手取り額はさらに少なくなります。
また、2025年に成立した年金制度改正法により、iDeCoの加入年齢上限が70歳未満へ引き上げられるなど、私的年金の活用がよりしやすい環境に変わろうとしています。
老後のお金の不安を解消するためには、「公的年金でいくらもらえるか」をまず把握し、iDeCo・NISAといった私的年金・資産運用を組み合わせた備えを早めにスタートすることが大切です。「何から始めればいいかわからない」という方は、まず ねんきんネットに登録して自分の年金見込み額を確認すること から始めてみましょう。
老後の資金計画は、早く始めるほど選択肢が広がります。今日この記事を読んだことを、行動のきっかけにしてみてください!
