トークン化預金って何?ニュースから見る最新動向
今日は、2026年2月に日本経済新聞で報じられた「トークン化預金」について、投資初心者の皆さんにもわかりやすく解説していきます。
最近、札幌市のバレーボールチーム・アルテミス北海道が、クリエーターへの報酬支払いにトークン化預金を活用しようとしているというニュースが話題になりました。また、ゆうちょ銀行やSBI新生銀行といった大手金融機関も、2026年度中にトークン化預金の発行を計画しています。
「トークン化預金?難しそう…」と思った方、安心してください!これは簡単に言えば、あなたが銀行に預けているお金をデジタル化して、もっと便利に使えるようにする仕組みなんです。
従来の銀行振込では、少額の送金を何度も行うと手数料がかさんでしまいますし、送金にも時間がかかります。でも、トークン化預金なら、瞬時に、しかも安い手数料で送金できるんです。バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの予測では、トークン化された預金・現金は2030年までに約540兆円規模に成長する可能性があるとされています。
今、金融業界で大きな変革が起きているんですね。では、この「トークン化預金」とは一体何なのか、詳しく見ていきましょう!
トークン化預金の仕組みを初心者向けに解説
トークン化預金とブロックチェーン技術
トークン化預金を理解するには、まず「ブロックチェーン」という技術を知る必要があります。
ブロックチェーンとは、取引記録を複数のコンピューターで分散して管理する技術のこと。従来の銀行システムでは、銀行が中央で全ての取引を管理していましたが、ブロックチェーンでは取引情報が「分散型台帳」に記録されます。これにより、透明性が高く、改ざんが非常に難しいシステムが実現できるんです。
トークン化預金は、このブロックチェーン技術を使って、銀行預金をデジタルトークン(デジタルな証券のようなもの)に変換したものです。あなたの銀行口座に1万円があれば、それを「1万円分のデジタルトークン」として表現するイメージですね。
従来の銀行振込との3つの違い
- 送金スピード:従来の銀行振込は営業時間内でも数時間〜数日かかることがありますが、トークン化預金ならほぼ瞬時に完了します。
- 手数料:銀行振込では数百円の手数料がかかることも珍しくありませんが、トークン化預金なら大幅に低コストで送金できます。
- 営業時間:従来の銀行は平日の日中しか営業していませんが、トークン化預金なら24時間365日、いつでも送金可能です。
ステーブルコインとの違いは?
「ステーブルコインと何が違うの?」と疑問に思った方もいるかもしれませんね。
ステーブルコインは、価格が安定するよう設計されたデジタル通貨で、不特定多数の人の間で自由に流通できます。一方、トークン化預金は銀行預金そのものをデジタル化したもので、基本的には同じ銀行に口座を持つ人同士での送金に使われます。
大きな違いは以下の3点です:
- 発行主体:ステーブルコインは様々な企業が発行できますが、トークン化預金は銀行のみが発行
- 利息:トークン化預金には普通の預金と同じように利息が付く可能性がありますが、多くのステーブルコインには利息が付きません
- 預金保険:トークン化預金は預金保険の対象になる可能性がありますが、ステーブルコインは対象外
つまり、トークン化預金は「銀行の信頼性」という安心感を保ちながら、デジタルの便利さを手に入れた仕組みなんです。
実際の活用事例と市場規模
国内の動き:大手銀行が続々参入
日本国内では、2024年から2026年にかけて、トークン化預金の導入が加速しています。
ゆうちょ銀行は、2026年度中にディーカレットDCPが開発した「DCJPY」プラットフォームを利用したトークン化預金の取り扱いを計画しています。ゆうちょ銀行は約1.2億もの口座を持つ日本最大級のリテール銀行ですから、この動きは非常に大きなインパクトがあります。
SBI新生銀行も、シンガポールのPartior社と提携し、外貨取引に対応するトークン化預金の検討を開始しています。将来的には、米ドルやユーロといった複数通貨のトークン化を想定し、24時間365日利用できるグローバルな送金ネットワークを目指しています。
また、北國銀行は2024年4月から「トチカ」という地域通貨型のトークン化預金を運用しています。加盟店の手数料を0.5%という低水準に設定し、地域経済の活性化に貢献しているんです。
不動産業界の活用事例も注目です。シノケングループは、家賃をトークン化預金で支払えるシステムを導入予定。入居者が好きな日に家賃を引き落とせるようになり、残高不足のリスクを減らせます。また、家賃回収がリアルタイムで確認できるため、不動産管理会社の業務効率も大幅に向上します。
海外の先進事例:JPモルガンがリード
世界的には、JPモルガン・チェースが2019年から「JPMコイン」というトークン化預金を発行しており、パイオニア的存在です。2024年時点で、JPMコインによる取引は1日あたり約1,470億円に達していると報じられています。
JPモルガンは、シンガポールのDBS銀行やドイツ銀行、スタンダードチャータード銀行などと共同で国際的な送金ネットワークを構築しており、今後はアラブ首長国連邦のエミレーツNBDなど中東の大手金融機関も参加する予定です。
シティグループやドイツ銀行、DBS銀行なども独自のトークン化預金サービスを開発しており、グローバルな企業の資金管理を効率化しています。
市場規模と将来予測
ステーブルコイン全体の市場規模は、2025年9月時点で約3,000億ドル(約44兆円)に達しています。そのうち、トークン化預金はまだ一部ですが、急速に成長しています。
バンク・オブ・ニューヨーク・メロンによれば、トークン化された預金・現金は2030年までに3兆6,000億ドル(約540兆円)規模に成長する可能性があるとされています。これは、デジタル決済の需要が世界的に高まっていることを反映しています。
特に注目すべきは、国際送金市場です。従来のSWIFTシステムを使った国際送金は、手数料が高く、送金に数日かかることが課題でした。トークン化預金がこの市場に本格参入すれば、数兆円規模の市場が一変する可能性があるんです。
投資家にとってのメリットと注意点
3つの大きなメリット
1. 24時間365日、瞬時の送金が可能
投資家にとって、タイミングは非常に重要ですよね。従来の銀行システムでは、土日や夜間には送金できませんでしたが、トークン化預金ならいつでもリアルタイムで資金を動かせます。
例えば、週末に急な投資機会が訪れた時でも、すぐに資金を移動できるんです。これは、投資のスピードが求められる現代において、大きなアドバンテージになります。
2. 手数料の大幅削減
国際送金の手数料は、従来数千円かかることも珍しくありませんでした。しかし、トークン化預金を使えば、手数料を従来の数分の一、場合によっては数十分の一に削減できる可能性があります。
頻繁に国際取引を行う投資家にとって、この手数料削減は年間で見ると大きな節約につながります。
3. プログラマブルな決済
トークン化預金の最大の特徴の一つが「プログラマビリティ」です。これは、条件を設定して自動的に決済を実行できる機能のことです。
例えば、「株価が一定の水準に達したら自動的に資金を移動する」といった設定ができます。これにより、投資戦略の自動化が進み、効率的な資産運用が可能になります。
注意すべき3つのポイント
1. 現状では限定的な流通範囲
日本国内のトークン化預金は、まだ同じ銀行の口座間でしか送金できないものがほとんどです。
例えば、北國銀行の「トチカ」は基本的に石川県内での利用に限られていますし、ディーカレットDCPの「DCJPY」も導入銀行の口座間でしか移動できません。ステーブルコインのように国境を越えて自由に流通するには、まだ時間がかかりそうです。
2. 技術リスクとセキュリティ
ブロックチェーン技術は比較的新しい技術です。システムの不具合やハッキングのリスクは完全にゼロではありません。
ただし、トークン化預金は銀行が発行・管理するため、従来の銀行システムと同等のセキュリティ対策が施されています。また、預金保険の対象になる可能性もあるため、ステーブルコインよりは安全性が高いと考えられます。
3. 規制環境の変化
デジタル通貨に関する規制は、世界各国で整備が進んでいる段階です。日本では2023年に改正資金決済法が施行され、ステーブルコインが「電子決済手段」として法的に位置づけられました。
しかし、規制環境は今後も変化する可能性があります。投資家としては、最新の規制動向に注意を払う必要があります。
投資家が今できること
トークン化預金はまだ発展途上の技術ですが、確実に金融インフラの一部になりつつあります。投資家として今できることは:
- 情報収集:銀行からの最新情報をチェックし、サービス開始時期を把握する
- 少額から試す:サービスが開始されたら、まずは少額で使い勝手を確認する
- 国際送金の比較:従来の送金方法とコスト・時間を比較してみる
焦る必要はありませんが、新しい技術の動向を知っておくことは、賢明な投資家として重要なことですよ。
トークン化預金が変える金融の未来
国際送金ネットワークの革命
トークン化預金の真価が発揮されるのは、国際的な送金ネットワークが構築された時です。
現在、JPモルガンやDBS銀行などは、銀行間でトークン化預金を移動できる国際ネットワークを構築しています。例えば、JPモルガンとシンガポールのDBS銀行が共同出資したPartiorというフィンテック企業は、複数の銀行をつなぐプラットフォームを開発しました。ここには、スタンダードチャータード銀行やエミレーツNBDといった世界の大手銀行が参加を表明しています。
ディーカレットDCPも、JPモルガンなどの国際ネットワークにシステムを接続する意向を示しています。これが実現すれば、日本の銀行から海外の銀行へ、瞬時かつ低コストで送金できる時代が来るかもしれません。
従来のSWIFTシステムを使った国際送金は、複数の仲介銀行を経由するため、手数料が高く、送金に数日かかるという課題がありました。しかし、トークン化預金の国際ネットワークが整備されれば、国際送金市場は劇的に変化するでしょう。
AI時代の決済インフラ
さらに未来を見据えると、トークン化預金はAI(人工知能)との組み合わせで新たな可能性を開きます。
24時間365日稼働し、プログラムで制御可能なトークン化預金は、AIにとって理想的な「財布」になります。例えば、AIが為替変動を予測して最適なタイミングで資金を移動させたり、旅行のホテル予約から決済までをAIが一気通貫で完了する、といった世界が現実になりつつあります。
投資の世界でも、AIが自律的に投資判断を行い、トークン化預金で即座に決済するという未来が考えられます。これは、投資のスピードと効率を劇的に向上させる可能性を秘めています。
投資家が今知っておくべきこと
トークン化預金は、単なる技術革新ではありません。これは金融インフラそのものの進化なんです。
投資家として知っておくべき重要なポイントは:
- 銀行預金の新しい形態:トークン化預金は、銀行預金の信頼性を保ちながら、デジタルの利便性を提供します。預金保険の対象になる可能性もあり、安全性が高いのが特徴です。
- ステーブルコインとの共存:トークン化預金とステーブルコインは競合関係ではなく、それぞれの特性に応じて使い分けられると考えられています。銀行が発行するトークン化預金は信頼性が高く、ステーブルコインは流通性が高いという特徴があります。
- 段階的な普及:まずは国内の銀行間でのネットワークが整備され、その後、国際的なネットワークへと拡大していくと予想されます。投資家としては、この展開を注視し、適切なタイミングで活用を始めることが重要です。
- 手数料削減の恩恵:特に国際取引を頻繁に行う投資家にとって、トークン化預金による手数料削減は大きなメリットになります。年間の手数料を計算すると、数万円から数十万円の節約になる可能性もあります。
- 新しい投資機会:トークン化預金のインフラが整備されることで、デジタル証券やNFTなどのデジタル資産への投資が容易になります。これは、新しい投資機会の扉を開くことを意味します。
まとめ:変化を味方につける投資家になろう
2026年は、トークン化預金が本格的に普及し始める金融の転換点になるかもしれません。
ゆうちょ銀行やSBI新生銀行といった大手金融機関の参入、JPモルガンなど海外銀行の先進的な取り組み、そして540兆円規模への成長予測。これらはすべて、トークン化預金が単なる一時的なトレンドではなく、金融インフラの新しいスタンダードになる可能性を示しています。
投資初心者の皆さんにとって、この変化は決して難しいものではありません。むしろ、より便利で、より低コストで、より速い金融サービスを享受できるチャンスなんです。
大切なのは、新しい技術を恐れず、正しく理解し、賢く活用すること。トークン化預金について学ぶことは、これからの投資人生において大きなアドバンテージになるはずです。
まずは、ご自身が利用している銀行がトークン化預金のサービスを開始するかどうか、情報をチェックしてみてください。そして、サービスが始まったら、少額から試してみることをおすすめします。
変化を味方につけられる投資家こそが、これからの時代を制するのです!

