投資を始めたばかりの初心者さんにとって、「FIRE」という言葉は、キラキラした夢のように聞こえるかもしれませんね。
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとった言葉で、「経済的自立と早期退職」を意味します。簡単に言えば、「働かなくても生活できるだけの資産を作って、会社を早めに辞めちゃおう!」というムーブメントです。
本日注目したいのは、「目安は年間支出の25倍、リスクも、FIRE達成者資産額は?」というニュースです。このニュースは、FIREに必要な具体的な資産額の目安や、実際にFIREを達成した人のリアルな生活、そして「意外と知られていないリスク」について深く掘り下げています。

このFIREという考え方、特に米国発祥でミレニアル世代(1980年代から1990年代半ば生まれ)を中心に支持され、日本でも注目を集めるようになりました。ニュースによると、今の仕事や将来のキャリアに疑問を感じ、「仕事に時間を奪われたくない」と、40代までの早期リタイアを目指す若者が増えているそうなんです。
- 20代男性の約29.4%、30代男性の約26.1%が、退職希望年齢を「50歳以下」と答えており、これは数年前の調査から2倍以上に増えています!
背景には、共働き世帯の増加で男性だけが家計を支える状況が減ったことや、未婚率の上昇など、ライフスタイルの変化があるようです。
FIREには大きく分けて2種類あります。
- フルFIRE:完全に資産運用益だけで生活するパターン。
- サイドFIRE:生活費の一部を運用益でまかないつつ、趣味や本当にやりたい仕事で一定の収入を得るパターン。
この記事では、このニュースを掘り下げながら、私自身の「FIREは目的ではなく、自分らしく生きる手段」という考え方に基づき、投資初心者であるあなたが「自分にとって最高の人生」を送るためのヒントをお届けします!
FIRE達成のための目標設定:目安となる「4%ルール」のわかりやすい解説
FIREを目指すとき、まず誰もが気になるのが「じゃあ、いくらお金が必要なの?」という疑問ですよね。
この疑問に答える、最も有名で世界的な目安が、ニュースにも出てきた「4%ルール」です。
4%ルールってどういうこと?
「4%ルール」は、米国発祥の考え方で、あなたの年間生活費の25倍の資産を用意し、その資産を年率4%で運用できれば、資産を減らさずに生活費を取り崩していけるという理論です。
計算式:FIRE達成に必要な資産額 = 年間支出額 × 25
これがなぜ成り立つかというと、資産運用で年間4%の利益を得ることで、あなたが生活費として毎年4%を取り崩しても、資産全体が減らない、あるいはインフレに対応できる程度の確率が高い、とされているからです。
具体的に計算してみましょう!
| 年間支出額 | 必要なFIRE達成資産額(25倍) |
| 300万円 | 7,500万円 |
| 400万円 | 1億円 |
| 500万円 | 1億2,500万円 |
このニュースに出てきた男性(35歳)が資産約7,500万円でFIREを達成したのも、恐らくこの「4%ルール」を意識した結果でしょう。彼の場合、年間支出が300万円程度に抑えられているのかもしれませんね。
専門的な解説:4%ルールの根拠
このルールは、過去の米国の株式市場や債券市場のデータに基づいたシミュレーション研究(トリニティスタディなど)が根拠になっています。これは、株式と債券を組み合わせた分散投資を行うことで、30年間の生活費を取り崩しても資産が尽きる確率が非常に低い、ということを示しています。
もちろん、これはあくまで目安です。日本の市場環境や税制、そして何よりあなたの「人生100年時代」の期間や生活レベルによって、必要な金額は変わってきます。だからこそ、まず自分の年間支出を正確に把握することが、FIREへの第一歩なのです!
FIREはゴールじゃない!「自分らしく生きる手段」としてのFIRE
さて、必要な資産額の目安がわかったところで、最も大切なマインドセットのお話をさせてください。
私個人としては、FIREは決してゴールではないと考えています。
- もし、ただ「会社を辞めること」だけが目的になってしまったら、お金が手に入っても満たされない「FIRE卒業者」になってしまうかもしれません。
FIREは、私たちを縛る「お金の心配」から解放してくれる、「自分らしく生きるための手段」なんです。
理想は「FI」:収入に縛られず、やりたい仕事を続ける
私の理想は、「FI(Financial Independence:経済的自立)は実現しつつ、RE(Retire Early:早期退職)はしない」というスタイルです。つまり、
お金のために働く必要はない。でも、好きだから、やりがいがあるから、誰かのためになるから、仕事を続ける。
「ニュース」に登場した女性(36歳)の言葉が、まさにこの考え方を体現しています。
「FIREはあくまでも自分の人生を手に入れるスタートライン。今の方が自分らしく生きられている」
彼女は、会社員時代は仕事と育児に追われていましたが、FIRE後は家族でバンコクに移住し、ドラマを見たり、本を読んだりして自由に過ごしています。時間を自分でコントロールできることこそが、最大の自由なのです。
この「収入に関係なくやりたい仕事を続ける」というのは、実は「自分らしく生きる」ということ自体が意外と難しいからです。
組織という枠から外れると、「自分が何者か」を自分で問い続けなければなりません。だからこそ、FIRE後の人生を充実させるためには、経済的な準備と同じくらい、「何に時間を使いたいか」という心の準備が大切なのです。
FIRE達成者のリアルな生活と資産形成の工夫
FIRE達成者の具体的な事例を見るのは、モチベーションアップにつながりますよね。ニュースから、お二方のリアルな生活と、彼らがどうやって資産を築いたかの工夫を学んでみましょう。
事例1:住居費を抑え、自給自足も視野に入れる男性(35歳)
| 項目 | 詳細 |
| 達成資産額 | 約7,500万円 |
| FIRE後の生活 | 畑仕事、自転車(趣味)、オンラインコミュニティー運営、記事執筆など |
| 資産形成の工夫 | ・個別株やインデックス投資で資産形成。・築60年の祖母の家に住み、家賃を浮かせた(固定費削減)。 |
| リスク対策 | 市況悪化時には「野菜を育てたり、シジミをとりに行ったり」という自給自足の生活を想定。 |
ココが学び!:固定費の削減と自給自足マインド
彼の最大の工夫は、「住居費(家賃・ローン)」という最大の固定費をゼロに近づけたことです。家賃を抑えることは、必要なFIRE資産額を劇的に減らすことにつながります(年間支出が減るため)。さらに、彼はリスク対策として「自給自足」を挙げているのが面白いですね。これは、「お金以外のスキルや資源」が心の安心感につながるという好例です。
事例2:海外移住で生活コストと精神的な自由を手に入れた女性(36歳)
| 項目 | 詳細 |
| 達成資産額 | 8,000万円 |
| FIRE後の生活 | 家族4人でタイ・バンコクに移住、自由な時間(ドラマ鑑賞、読書) |
| 資産形成の工夫 | ・夫婦で年収1,000万円(夫600万円、妻400万円)を達成。・夫の収入を投資に回すことで資産を増やす。・家族4人で1LDKに住み、生活費を抑えた。 |
ココが学び!:集中投資と生活環境の見直し
彼女たちは、世帯年収が高い時期に生活レベルを上げず(1LDKに居住)、一方の収入(夫の分)を投資に回すという集中戦略で、一気に資産を増やしました。また、「海外移住」という選択は、生活コストの安い地域で暮らすことで、FIRE資産の「寿命」を延ばす非常に効果的な方法の一つです。
投資初心者の方は、まずこの事例のように「NISA(少額投資非課税制度)」などの制度を最大限活用し、インデックス投資(市場全体に分散投資する方法)から始めるのがおすすめです。
FIREのリスクと注意点:失敗しないために準備しておくべきこと
FIREは魅力的なゴールですが、どんなことにもリスクはつきものです。特に投資初心者の方は、夢だけを見てリスクを軽視しないよう、注意が必要です。
ニュースにもあったように、FIREには大きく分けて2つの大きなリスクがあります。
リスク1:資産が目減りする「お金」のリスク
FIRE達成後に資産運用だけで生活していく中で、市場環境の急変で株価が大暴落したり、急速なインフレ(物価が上がること)が起きたりすると、「4%ルール」で計算した資産額でも足りなくなる可能性があります。
- インフレのリスク:物価が上がると、生活費がどんどん増えるため、年間支出の25倍という目標額も再計算が必要になります。
- 市場の急変:FIRE直後にリーマンショックのような大暴落が来ると、資産の回復に時間がかかり、生活費の取り崩しが困難になる場合があります。
対策のヒント:ファイナンシャルプランナー(FP)の山崎俊輔さんが言うように、「早期のFIREは必要な準備金も増え、楽ではない」ことを理解しましょう。
- サイドFIRE:完全にリタイアせず、月数万円でも稼ぐ仕組み(記事執筆、コミュニティ運営、自営業など)を作っておくことが、不測の事態への最高の保険になります。
- 分散投資:特定の国や資産だけに偏らず、株式、債券、不動産など多岐にわたる資産に分散しておくことです。
リスク2:「孤独と退屈」という心の落とし穴
金銭的な問題だけでなく、FIRE後に「社会との接点がなくなる」ことで、孤独や退屈を感じ、「やっぱり会社員に戻る」FIRE卒業をする人が意外と多いことも、ニュースで指摘されています。
ブログ運営を行う穂高唯希さんのもとには、FIRE後2年で「やりたいことを一通りやった人」からの相談が寄せられるそうです。
「FIRE後は主体性が問われる。組織に属さない自分が何者かを問われ続ける」
これは先ほど述べた「自分らしく生きるのが難しい」という話につながります。仕事が、あなたの社会的な役割や、生きがいの一部になっていたことに気づかされるのです。
対策のヒント:
- コミュニティを持つ:趣味やFIREに関する仲間と交流できるオンラインコミュニティに参加したり、自分で立ち上げたりすることが重要です。
- 熱中できる趣味や活動:仕事に縛られないからこそできる、誰かの役に立つ活動や、時間を忘れて熱中できる趣味を見つけておくことが、FIRE後の人生の充実度を決めます。
まとめ:FIREは「自分らしく生きる手段」
皆さん、FIREという夢への道のりは、決して楽な道ではありません。しかし、最新のニュースや事例から学べることはたくさんありましたね!
本日のまとめ
- FIREを目指す人が増加中:特に若年層の男性で、仕事に縛られない生活を望む人が数年前の2倍以上に増えています。
- 目標資産の目安は「4%ルール」:年間支出の25倍(例:年400万円支出なら1億円)を目安にしましょう。まず自分の年間支出を把握することが第一歩です。
- FIREは「手段」と心得よ:目的は「会社を辞めること」ではなく、「経済的自立(FI)を果たし、お金に縛られず、自分らしく生きる」ことです。収入に関係なく、やりたい仕事を続けるのが理想です。
- 成功者の工夫:FIRE達成者は、住居費などの固定費削減や、NISAを活用した投資、さらには海外移住やサイドビジネスといった工夫を凝らしています。
- 2大リスクに備える:市場の急変やインフレによる資産目減りリスクと、社会との接点を失う孤独・退屈リスクへの対策(サイドFIREやコミュニティ作り)が不可欠です。
FIREを達成するためには、リスクに関する知識を深め、「FIRE後に何を実現したいのか」という人生のプランを練ることが、金銭的な準備と同じくらい重要になります。
投資初心者であるあなたは、焦らず、まず少額からNISAでインデックス投資を始め、自分の年間支出を見直すところからスタートしてみましょう。FIREは、あなたの人生をより豊かに、より自由に生きるための強力なツールとなり得ます。
あなたのFIREへの道のりを、心から応援しています!

