「将来のために何か投資を始めたいけれど、何だか難しそう…」「銀行に預けていても、資産がなかなか増えないな」などと感じている、かつての私のような投資初心者の方へ、本日は大変興味深いニュースをお届けします。
投資の世界には「巨人」と呼ばれる企業がいくつか存在しますが、その中でも最大級の巨人、世界No.1の資産運用会社「ブラックロック」が、今、暗号資産の世界で大きな変革を起こそうとしています。
2025年7月18日、このようなニュースが世界を駆け巡りました。
/https://www.gfa.co.jp/crypto/news/alt-news/news-1205/
この記事を最後までお読みいただければ、
- 今回のニュースが、どれほど「革命的」で重要なことなのか
- 「イーサリアム」「ETF」「ステーキング」という言葉の基本的な意味
- これからのイーサリアム投資、そしてご自身の資産運用にどのような影響があるのか
といった点が、非常によく理解できるようになりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
一言で申し上げますと、今回のニュースは「保有しているイーサリアムが、ただ値上がりを待つだけでなく、銀行の利息のように収益を生む可能性が出てきた」という、夢のような話なのです。
それでは、未来の投資の形を、一緒に見ていきましょう。
基本から解説:「イーサリアム」「ETF」「ステーキング」とは?
それでは早速、先ほど登場した専門用語を一つずつ丁寧に解説していきます。ここを理解することで、ニュースの重要性がより深くわかります。
① イーサリアム(ETH)とは、ビットコインと何が違うのでしょうか?
まず、イーサリアム(ETH)についてです。
「暗号資産といえばビットコイン」というイメージが強いですよね。その通り、ビットコインは世界初の暗号資産であり、デジタルゴールドとも呼ばれる王様のような存在です。
では、イーサリアムは何が違うのかというと、「超高性能な多機能プラットフォーム」という点にあります。
- ビットコイン: 主に「価値の保存」や「送金」といった、お金のような機能に特化しています。まさに「デジタルな金(ゴールド)」と言えるでしょう。
- イーサリアム: お金の機能に加え、「スマートコントラクト」という革命的な機能を持っています。
【初心者向け解説】スマートコントラクトとは?
これは「あらかじめ決められたルールを、人の手を介さずに自動で実行してくれるプログラム」を指します。例えば、「AさんがBさんに1ETH支払ったら、自動的にBさんが持つデジタルアートの所有権がAさんに移る」といった契約を、プログラムが自動的に執行してくれるのです。 この機能のおかげで、イーサリアムのプラットフォーム上では、NFT(非代替性トークン)の売買や、DeFi(分散型金融)といった新しい金融サービスが展開されています。まさに、「アプリケーションが動作する基盤(OS)のような暗号資産」なのです。
このように、イーサリアムは単なる通貨ではなく、多くの可能性を秘めた未来のインターネット基盤とまで言われています。
② ETFとは?なぜ注目されているのでしょうか?
次に、ETFです。これは「Exchange Traded Fund」の略称で、日本語では「上場投資信託」と呼ばれます。
【初心者向け解説】ETF(上場投資信託)とは?
投資信託とは、専門家が様々な企業の株式などをセットにしてくれた「詰め合わせパック」のようなものです。ETFは、その「詰め合わせパック」を、株式と同じように証券取引所でリアルタイムに売買できる金融商品を指します。 例えば「日経平均株価ETF」を購入すれば、日本の主要な225社へまとめて少しずつ投資するのと同様の効果が期待できます。
では、なぜ「イーサリアムETF」がこれほど注目を集めているのでしょうか。それは、投資家にとって多くのメリットがあるからです。
投資方法 | メリット | デメリット |
直接イーサリアムを購入 | 24時間取引可能 | ハッキングのリスク、自己管理の必要性、複雑な税金計算 |
イーサリアムETFを購入 | 証券口座で手軽に購入、プロによる安全な管理、ハッキングの心配が少ない、税金計算が比較的容易 | 取引時間に制限あり、信託報酬(手数料)が発生 |
つまりETFを利用すれば、これまで「暗号資産は少し怖い…」と感じていた方でも、普段利用している証券会社の口座を通じて、株式投資と同じような感覚で、安全にイーサリアムへ投資できるようになるのです。これは画期的なことですよね。
③ ステーキングとは?保有するだけで資産が増える仕組みですか?
最後に、今回のニュースの主役であるステーキングです。
これは簡潔に言うと「保有している暗号資産をネットワークに預ける(ロックする)ことで、報酬がもらえる仕組み」を指します。
【初心者向け解説】ステーキングを銀行の利息に例えてみましょう
銀行にお金を預けると利息がもらえますよね。これは、銀行がその資金を他へ貸し出すなどして得た利益の一部を、預金者に還元しているためです。
ステーキングもこの仕組みに似ています。イーサリアムは「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」という仕組みで運営されており、イーサリアムの保有者が取引の正当性を検証し合うことで、ネットワーク全体の安全性を維持しています。
イーサリアムをステーキングするということは、この「検証作業への参加」を意味します。その貢献に対する報酬として、ネットワークから新しいイーサリアムが支払われるのです。これがステーキング報酬であり、保有しているだけで資産が増える可能性がある仕組みです。
これら3つの言葉の意味がわかれば、準備は万端です。次のブロックで、今回のニュースがなぜ「革命的」なのか、その核心に迫っていきます。
なぜ今回の申請は「革命的」なのでしょうか?その理由を解説
基本を理解したところで、本題に入りましょう。なぜブラックロックの今回の申請が、単なるニュースに留まらず「革命的」とまで言われるのか。その理由を3つのポイントで解説します。
ポイント1:「守り」から「攻め」のETFへ!”金利”が付くETFの誕生
これまでの株式や金(ゴールド)のETFは、どのように利益を出していたでしょうか。
基本的には「安く買って、高く売る」ことで得られる差額の利益(これをキャピタルゲインと言います)が中心でした。ETFは保有しているだけでは収益を生み出さない、いわば「守り」の資産だったのです。
ところが、今回のブラックロックの申請が承認されると、イーサリアムETFは全く新しい金融商品へと生まれ変わります。
値上がり益(キャピタルゲイン)+ ステーキング報酬(インカムゲイン)
この「二重で利益を狙える」という点が、非常に革命的なのです。
【初心者向け解説】キャピタルゲインとインカムゲイン
- キャピタルゲイン: 資産の価格が上昇した際に売却して得られる利益を指します。株式や不動産の売却益がこれに該当します。
- インカムゲイン: 資産を保有しているだけで継続的に得られる収益のことです。銀行預金の利息や不動産の家賃収入、株式の配当金などがこれにあたります。
つまり、イーサリアムETFは、将来の値上がりを期待して保有するだけでなく、銀行の利息や株式の配当金のように、継続的な収益を生み出す可能性を秘めているのです。 これは、従来の資産運用を行ってきた機関投資家や個人投資家にとって、大変魅力的に映ります。なぜなら、価格が停滞している時期でも、ステーキング報酬によって資産を増やせる可能性があるからです。
ニュース記事にも「単なる価格上昇を期待するパッシブなETFではなく、収益を生むアクティブ型の構造へと一歩進む」とありましたが、まさにその通りで、ETFの歴史における転換点となるかもしれません。
ポイント2:巨人が動けば世界が動く!業界全体の大きな潮流
「しかし、それはブラックロック1社の話ではないか」と思われるかもしれません。ですが、それが違うのです。
今回のニュースで注目すべき点は、ブラックロックだけでなく、
- Fidelity(フィデリティ)
- Grayscale(グレースケール)
- 21Shares
といった、名だたる資産運用会社が、みなさん同じようにステーキング機能の追加を申請しているという事実です。
これはもはや、一企業の方針転換ではありません。金融業界全体が「ステーキング付きETFは、次世代のスタンダードになる」と考えている証左と言えるでしょう。これは、スマートフォンが登場した際に、全てのメーカーが一斉にその開発へ乗り出したような、大きな地殻変動が起きているのです。
ポイント3:データが証明する「ETHA」の圧倒的な人気
ブラックロックのイーサリアムETFは、正式名称を「iShares Ethereum Trust(ETHA)」と言いますが、これはステーキング機能がない現時点ですら、大変な人気を集めています。
ニュースによれば、ETHAへの純資金流入額は70億ドル(日本円で約1兆1000億円 ※)を超え、これは他の同種のイーサリアムETFの2倍以上の規模です。 ※1ドル=160円で計算
さらに驚くべきは市場全体の動向です。ここ数週間でイーサリアムETF市場には22億ドル(約3520億円)以上もの資金が流入しており、ある日には1日で7億2,660万ドル(約1162億円)という過去最高の流入を記録しました。そして、その流入額のうち、約5億ドル(約800億円)は、ブラックロックの「ETHA」一つが占めていたのです。
これは何を意味するのでしょうか。 つまり、「ステーキング機能がなくても、すでに世界中の投資家がブラックロックのETFを信頼し、驚異的な勢いで資金を投じている」ということです。
もし、これに「ステーキング」という強力な機能が加わった場合、人気がさらに高まることは想像に難くありません。ブラックロックは、この圧倒的な人気を背景に、イーサリアムETF市場での主導権をさらに確固たるものにしようとしているのです。
「ステーキング付きETF」のメリットと注意すべきリスク
「二重の収益が狙えるのは素晴らしい」「ぜひ投資してみたい」と気持ちが高まることと思いますが、一度立ち止まって考えてみましょう。投資の世界に「ノーリスク」というものは存在しません。
どんなに魅力的な商品にも、必ず光と影の両側面があります。ここでは冷静に、投資家として知っておくべき「メリット」と「注意すべきリスク」を比較検討します。
ステーキング付きETFの素晴らしい「メリット」
まず、メリットを改めて整理します。
- 二重の収益チャンス これが最大のメリットです。イーサリアムの将来的な値上がり益(キャピタルゲイン)を追求しつつ、保有しているだけでステーキング報酬(インカムゲイン)も得られる可能性があります。攻めと守りを兼ね備えた、ハイブリッドな投資手法と言えるでしょう。
- 機関投資家の本格参入による市場の安定化 ブラックロックのような巨大な機関投資家がステーキングに参加するということは、彼らが「イーサリアムのネットワークは長期的かつ安定的に成長する」と信頼している証です。彼らの巨額の資金が市場の信頼性を高め、価格の変動を穏やかにする可能性があります。これは個人投資家にとっても安心材料となります。
- 煩雑なステーキングを「おまかせ」で実現 個人でステーキングを行うには、専門的な知識やセキュリティ管理が必要となり、非常に手間がかかります。しかしETFであれば、そうした複雑な作業は全てブラックロックのような専門家が代行してくれます。私たちはただ証券口座でETFを購入するだけで、間接的にステーキングの恩恵を受けられるのです。
忘れてはならない注意すべき「リスク」
次に、必ず念頭に置くべき注意点です。
- まだ「申請段階」であり、SECの承認はこれから これが最も重要なポイントです。今回のニュースは、あくまでブラックロックたちがアメリカの証券取引委員会(SEC)に「ステーキング機能を追加させてください」と申請した段階に過ぎません。 SECが承認しなければ、この話は一旦白紙に戻る可能性もあります。アナリストたちは「2025年の終わりまでには承認される可能性が高い」と見ていますが、100%ではないことを忘れないでください。
- 技術的なリスクもゼロではない ステーキングはイーサリアムネットワークに貢献する行為ですが、もしETFの管理者が運用を誤りネットワークに損害を与えた場合、「スラッシング」という罰則で、預けたイーサリアムの一部を失うリスクがあります。もちろん、専門家がそのようなミスを犯す可能性は極めて低いと考えられますが、リスクがゼロではないことは理解しておく必要があります。
- 手数料(信託報酬)が高くなる可能性 ETFを保有している間、運用会社に「信託報酬」という手数料を支払う必要があります。ステーキングという手間のかかる運用を追加する分、この手数料が一般的なETFより少し高めに設定される可能性があります。長期保有の場合、この手数料がリターンに影響を与えることもありますので、商品が登場した際には必ず確認しましょう。
メリットとリスク、両方をしっかり理解した上で、ご自身で「これなら挑戦してみよう」と納得することが、投資において最も大切です。
未来予測:イーサリアム投資の今後と、私たちが今からできること
さて、この革命的な動きを受けて、イーサリアムの未来、そして私たちの投資はどのように変わっていくのでしょうか。そして、投資初心者の私たちは、今から何を準備しておけば良いのでしょうか。未来を予測しながら、具体的な行動計画を考えていきましょう。
【未来予測①】SECの承認はいつ?市場の期待感は最高潮へ
まず気になるのは、「最終的にいつ承認されるのか?」という点ですよね。
ニュースによりますと、いくつかのETF発行会社に対するSECの判断は、早ければ2025年10月にも下される予定です。ブラックロックのETHA自体の公式な審査期限は2026年4月ですが、ブルームバーグのアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は「それほど時間はかからずに承認が下りる可能性がある」「2025年第4四半期(10月〜12月)までには承認される見込みが高い」という強気な予測を示しています。
つまり、早ければ今年の冬にも「ステーキング付きイーサリアムETF」が誕生するかもしれないということです。この承認に向けたカウントダウンが、これから数ヶ月間、投資家の期待感をますます高めていくことでしょう。
【未来予測②】承認されたら価格はどうなる?機関投資家の資金流入
もし、SECが無事に承認した場合、イーサリアムの価格にはどのような影響があるのでしょうか。
これはあくまで予測ですが、ポジティブな影響が出る可能性が高いとぼくは考えています。 その理由は、これまでETFがなかったためにイーサリアムへの投資を見送っていた世界中の機関投資家(年金基金や保険会社など)の巨額の資金が、一気に市場へ流れ込んでくる可能性があるからです。
彼らが運用する資金は、私たち個人投資家とは桁が違います。そのような資金が市場に参入すれば、イーサリアムの需要は一気に高まり、価格を押し上げる大きな力になるかもしれません。 もちろん、「噂で買って事実で売る」という相場の格言通り、承認期待で事前に価格が上昇し、承認された瞬間に一時的に下落する可能性も考慮に入れる必要があります。
しかし長期的に見れば、イーサリアムが「投機的な資産」から「安定した収益を生む、信頼性の高い投資資産」へと再定義される、歴史的な転換点になることは間違いないでしょう。
投資初心者の私たちが、今からできる3つのこと
「では、私たちはただ待っているしかないのでしょうか?」 いいえ、そんなことはありません。この大きな波に乗り遅れないために、今から準備できることはたくさんあります。
- まずは情報収集を続ける この記事で、皆様の知識はかなりアップデートされたことと思います。しかし、世界は日々動いています。SECの動向や、各社のETFに関するニュースを追い続けることが大切です。信頼できるニュースサイトを定期的に確認する習慣をつけましょう。知識は、皆様を守る最も強力な武器となります。
- いつでも行動できる準備をしておく 「いざ承認された!購入したい!」と思った時に、口座がなくては機会を逃してしまいます。今のうちに、証券会社の口座や暗号資産取引所の口座を開設しておくことをお勧めします。開設には数日かかる場合があるため、余裕を持った準備が肝心です。「いつでも始められる状態」を作っておくことが重要なのです。
- リスクを理解し、ご自身の「投資スタイル」を考える これが最も大切なことです。もし投資を始めるのであれば、どの程度の金額なら失っても生活に影響がないか(これを余剰資金と言います)、どのくらいの期間で資産を増やしたいのかを考えてみましょう。 ステーキング付きETFは魅力的ですが、あくまで投資対象の一つです。全財産を投じるようなことは決してせず、まずは少額から、ご自身が許容できる範囲で試してみることが鉄則です。
この歴史的な変化の波に乗る準備はできましたでしょうか。未来は、準備した人のもとに訪れるのです。
まとめ:イーサリアム投資の新時代へ、一歩踏み出してみましょう
本日は大変盛りだくさんの内容でしたね。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 最後に、本日の特に重要なポイントをまとめておきます。
- 【重要ニュース】: 世界最大の投資会社ブラックロックが、イーサリアムETFに「ステーキング」機能(保有するだけで報酬がもらえる仕組み)の追加を申請しました。
- 【革命的な理由】: これが承認されると、イーサリアムETFは「値上がり益」だけでなく「利息のような収益」も狙える、二重に魅力的な金融商品に進化する可能性があります。
- 【市場の期待】: ブラックロックに続き、他の大手も同様の申請を行っています。早ければ2025年の終わりにも承認される可能性があり、世界中の投資家が注目しています。
- 【メリットとリスク】: 「二重の収益」や「専門家へのおまかせ」というメリットは大きいですが、「まだ未承認」であることや「手数料」などのリスクも存在します。
- 【私たちができること】: すぐに投資を始める必要はありません。①情報収集を続ける、②いつでも行動できるよう口座開設を準備する、③ご自身の投資スタイルを考える、ことから始めてみましょう。
今回のブラックロックの動きは、暗号資産が一部の専門的なものから、誰もが当たり前に投資する「社会に認められた金融資産」へと進化していく、非常に大きな一歩なのです。
銀行の預金金利が極めて低いこの時代に、新しい収益の可能性を示してくれる「ステーキング付きETF」は、私たち個人の資産運用にとって、力強い味方になってくれるかもしれません。
もちろん、投資に絶対はありません。だからこそ、本日学んだ知識を元に、ご自身で調べ、考え、そして決断することが何よりも大切です。
この記事が、皆様が新しい投資の世界へ、期待を胸に一歩を踏み出すきっかけとなれば、ぼくは大変嬉しく思います。
これからも、一緒に未来の金融について学んでいきましょう。応援しています。