【2026年税制改正】金融庁の要望でNISAはどう変わる?暗号資産の税金問題にもメス、未来の投資戦略を考える

投資ニュース解説

2025年8月、日本の金融界、そして私たち個人投資家にとって、未来への期待が大きく膨らむニュースが飛び込んできました。金融庁が「令和8(2026)年度 税制改正要望」を公表したのです

「税制改正要望って、なんだか難しそう…」と感じるかもしれませんね。でも、これは私たちの「お金の未来」に直結する、とても大切な話なんです。

簡単に言うと、「国が、国民みんなにもっと投資をしてもらって、日本全体を豊かにしていくための具体的なプランを提案した」ということです。

金融庁がNISA対象商品を拡大、全世代が使いやすく 税制要望を公表 - 日本経済新聞
金融庁は29日、2026年度の税制改正要望の内容を公表した。少額投資非課税制度(NISA)の対象商品の拡大のほか、つみたて投資枠を未成年も利用できるようにするよう求める。ライフステージや生活設計にあわせて全世代が使いやすいようにする。NIS...

今回発表されたニュース(2025年8月29日公表)では、特に「NISA(少額投資非課税制度)の対象商品を拡充し、つみたて投資枠を未成年も利用できるようにする」といった、私たちに身近なテーマが大きく報じられました。これにより、年齢やライフステージに関わらず、すべての世代が資産形成に取り組みやすい環境が整えられようとしています。

これまで金融庁というと、金融機関を監督する「番人」のような、少し堅苦しくて保守的なイメージがあったかもしれません。しかし、今回の要望書を見ると、その姿は大きく変わって見えます。もはや単なる番人ではありません。日本の金融・経済の未来を積極的に設計し、国民一人ひとりの資産形成を後押しする「建築家」へと、その役割を大きく変えようとしているのです。

このブログ記事では、この金融庁の「本気」が詰まった税制改正要望の内容を、投資初心者の方にも分かりやすく、ポイントを絞って徹底的に解説していきます。

  • NISAは具体的にどう変わるの?
  • 話題の暗号資産(仮想通貨)の税金はどうなる?
  • 私たちの生活に直接関係ある変更点は?

こんな疑問に一つひとつ丁寧にお答えしていきます。この記事を読み終える頃には、国が描く「資産運用立国」の未来図と、その中で私たちがどう行動すべきかが見えてくるはずです。さあ、一緒に未来への扉を開けてみましょう!

【最重要ポイント】NISAがさらにパワーアップ!全世代対応の「神改正」3つの柱

今回の税制改正要望で、何と言っても最大の注目ポイントはNISA制度のさらなる充実です。 金融庁は「資産運用立国」の実現を推進する上で、NISAが中心的な役割を果たすと考えており 、その使い勝手をあらゆる世代にとって向上させようとしています。

すでに2024年から新NISAが始まり、利用者は若年層を中心に大きく広がっています 。 しかし、金融庁はここで満足することなく、さらに多くの人が資産形成を始められるように 、3つの大きな改善を提案しているのです。 まさに「神改正」と呼ぶにふさわしい内容を、一つずつ見ていきましょう。

要望①:つみたて投資枠が未成年に拡大!?お年玉で投資デビューの時代へ

今回の要望で特に夢が広がるのが、「つみたて投資枠における対象年齢等の見直し」です 。 これは、こども家庭庁との共同要望でもあります

  • 【どう変わる?】 現在NISAは18歳以上が対象ですが 、この「つみたて投資枠」に限って、対象年齢を未成年にまで広げることを求めています。
  • 【なぜ重要?】 もし実現すれば、親が子供のために、お年玉やお小遣いの一部を使って、将来のための資産形成を非課税で始められるようになります。これは単にお金が増えるというだけでなく、子供が小さいうちからお金や投資に触れる絶好の機会となり、金融教育の観点からも非常に大きな意味を持ちます。まさに「ゆりかごから始める資産形成」の第一歩です。

要望②:もっと安心!低リスク商品も対象に?NISA商品の拡充

次に、投資の選択肢を広げる「対象商品の拡充」です

  • 【どう変わる?】 現在のNISA、特につみたて投資枠の対象商品は「長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託等」に限定されています 。 ここに、よりリスクの低い商品(例えば、債券を主な投資対象とする投資信託など)を加えることが検討されています。
  • 【なぜ重要?】 「投資はしたいけど、株はちょっと怖い…」と感じている安定志向の方や、退職金を堅実に運用したい高齢層にとって、これは大きな朗報です。 リスク許容度に合わせた多様な商品から選べるようになれば 、これまで一歩を踏み出せなかった層も、安心してNISAを始められるようになります。

要望③:もっと自由に!非課税枠の「即時復活」で機動的な資産入れ替えが可能に

そして、すでに投資をしている人にとって非常に嬉しいのが、非課税保有限度額の「当年中の復活」です

  • 【どう変わる?】 現在のルールでは、NISA口座で保有している商品を売却しても、その使った分の非課税枠(生涯で1,800万円)が復活するのは「翌年」です。しかし、今回の要望では、商品を売却した場合、その年の年間投資枠(最大360万円)の範囲内であれば、売却した分の枠がすぐに復活し、再投資できるようにすることを求めています。
  • 【なぜ重要?】 これが実現すると、いわゆる「スイッチング(商品の入れ替え)」が格段にしやすくなります。 例えば、「Aという商品の調子が悪いから、売ってBという商品に乗り換えたい」と思った時に、枠の復活を待たずにすぐに行動できます。経済状況の変化に合わせた、より柔軟で機動的な資産運用が可能になるのです。

【補足】面倒な手続きもシンプルに?

さらに、少し地味ですが重要な改善点として「NISAに係る所在地確認の手続きの簡素化」も要望されています 。 現在、NISA口座を開設してから10年後、さらにその後5年ごとに、金融機関が郵送などで利用者の本人確認を行う必要があります 。 この手続きができないと新規の買い付けが停止されてしまうのですが 、利用者にとっても金融機関にとっても負担が大きいのが現状です 。 この手続きを、もっと簡単な方法に見直そうという動きも進んでいます 。 これにより、長期的に安心してNISAを使い続けられる環境が整備されるでしょう。

これらの要望は、NISAを単なる非課税制度から、国民一人ひとりのライフプランに寄り添う、生涯の資産形成パートナーへと進化させようという金融庁の強い意志の表れと言えます。

【未来の投資】暗号資産(仮想通貨)の税金が変わる?ビットコインETF承認への布石か

NISAの拡充と並んで、今回の税制改正要望で投資家たちの熱い視線を集めているのが「暗号資産(仮想通貨)」に関する課税の見直しです 。 これまで日本では、暗号資産への投資は税制面で大きなハードルがありましたが、その状況が大きく変わるかもしれません。

悪夢の「総合課税」から、株式と同じ「申告分離課税」へ?

現在、暗号資産取引で得た利益は「雑所得」として「総合課税」の対象となります

  • 【初心者向け解説:総合課税とは?】 これは、給与所得など他の所得と合算して税額が決まる仕組みです。所得が多ければ多いほど税率が上がり、住民税と合わせると最大で55%もの税金がかかります。100万円儲けても、半分以上が税金で持っていかれる可能性がある、というのが現状です。

これに対し、株式や投資信託の利益は「申告分離課税」が適用されます

  • 【初心者向け解説:申告分離課税とは?】 こちらは、他の所得とは切り離して、利益に対して一律の税率で課税される仕組みです。現在の税率は、所得税・住民税合わせて約20%です。

どちらが投資家にとって有利かは一目瞭然ですよね。

今回の金融庁の要望は、この暗号資産の課税方式について、「分離課税の導入を含めた…見直しを行うこと」とはっきりと書かれています 。 もしこれが実現すれば、税金の負担が大幅に軽減され、日本でも暗号資産への投資がより一層活発になることは間違いありません。

ビットコインETF、日本上陸への期待

さらに、今回の要望書には、未来の投資を語る上で見逃せない一文があります。

諸外国の動向を踏まえ、我が国でも暗号資産ETFの組成を可能とするための検討を税制面を含めて行う必要。

  • 【初心者向け解説:ビットコインETFとは?】 ETFは「上場投資信託」のことで、証券取引所で株のように手軽に売買できる投資信託です。ビットコインETFは、その投資対象がビットコインであるもの。これが承認されると、暗号資産取引所に口座を開設しなくても、普段使っている証券会社の口座で、NISAの成長投資枠などを利用してビットコインに投資できるようになる可能性があります。(※実際にNISA対象になるかは今後の議論次第です)

アメリカなどではすでに承認され、多くの資金を集めています。この税制改正の動きが、日本におけるビットコインETF承認への大きな布石となるのではないか、と個人的に非常に期待しています。

リスク管理がしやすくなる「金融所得課税の一体化」

暗号資産と合わせて注目したいのが「金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)」です

  • 【初心者向け解説:損益通算とは?】 これは、異なる金融商品の利益と損失を合算(相殺)できる仕組みです。例えば、株で100万円の利益が出ても、別の投資で50万円の損失が出ていれば、利益は50万円として税金計算ができます。これにより、無駄な税金を払わずに済みます。

現在、損益通算ができるのは上場株式や投資信託、特定公社債などに限られています 。 しかし今回の要望では、これをデリバティブ取引や預貯金にまで拡大することを求めています

デリバティブ取引は、価格変動リスクを回避(ヘッジ)するためにも使われる金融商品です 。 損益通算の範囲が広がれば、投資家はより多様な商品を組み合わせてリスク管理を行いやすくなり、安心して様々な投資にチャレンジできる環境が整います

これらの要望は、日本の投資環境をグローバルスタンダードに近づけ、投資家がより公平で合理的な条件のもとで資産形成に臨めるようにするための重要な一歩と言えるでしょう。

【経済の活性化】日本を「国際金融センター」へ!プロも注目する制度改革

ここまでのNISAや暗号資産の話は、私たち個人投資家に直接関わる身近なテーマでした。しかし、今回の税制改正要望には、もう少しスケールの大きな、日本経済全体の未来を見据えた重要な提案も盛り込まれています

一見すると専門的で難しく感じるかもしれませんが、「なぜこれが私たちに関係あるの?」という視点で、ポイントをわかりやすく解説します。

①海外のプロ投資家を日本に呼び込む!

要望の一つに「外国組合員に対する課税の特例の見直し」があります

  • 【初心者向け解説:これは何?】 簡単に言うと、海外の機関投資家や富裕層(LP投資家と呼ばれます)が、日本のファンド(投資のプロが集めたお金の集まり)にもっと投資しやすくするための税金のルール改正です。 現状は、海外投資家が日本のファンドに出資すると、日本の税金のルールが厳格で手続きも煩雑なため、投資の障壁になっているという指摘がありました 。 そこで、この特例の要件を緩和したり、手続きを簡素化したりして 、海外からのお金が日本の成長企業や新しいビジネスに流れ込みやすくしよう、という狙いです。
  • 【なぜこれが私たちに関係ある?】 海外から巨額の投資マネーが流れ込むと、日本のスタートアップ企業が成長する資金を得られたり、新しい産業が生まれたりします。その結果、新しい雇用が生まれ、経済全体が活性化します。巡り巡って、私たちの給料が上がったり、生活が豊かになったりする可能性に繋がるのです。

②私たちも海外投資がしやすくなる!

もう一つが「クロスボーダー投資の活性化に向けた租税条約等の手続きの見直し」です

  • 【初心者向け解説:これは何?】 私たちが海外の株や債券に投資すると、配当や利子に対して、まず投資先の国(源泉地国)で税金が引かれます。日本と投資先の国との間で「租税条約」が結ばれていれば、この税金が減免されるのですが 、そのための手続きが非常に複雑で、特に多くの投資家が参加するファンド経由だと、手続きが困難で事実上、減免を受けられないケースが多くありました 。 今回の要望は、この煩雑な手続きを簡素化して、誰でも租税条約のメリットを受けやすくしようというものです 。
  • 【なぜこれが私たちに関係ある?】 手続きが簡素化されれば、私たちが投資信託などを通じて海外に投資する際の手数料や税金のコストが下がる可能性があります。これにより、手軽に世界中の企業に分散投資ができるようになり、私たちの資産形成の選択肢が大きく広がります。

③再生可能エネルギーへの投資を後押し!

さらに「投資法人に係る税制優遇措置の見直し及び延長」も挙げられています

  • 【初心者向け解説:インフラファンドとは?】 これは、太陽光発電所や風力発電所といった社会インフラに投資し、そこから得られる賃貸料や売電収入を投資家に分配する仕組みの金融商品です。 現在、このインフラファンドには税金の優遇措置がありますが、その適用要件が厳しかったり、期限が迫っていたりする課題がありました 。 そこで、この優遇措置を延長し、要件を緩和することで、再生可能エネルギーなどへの民間投資をさらに促進しようとしています 。
  • 【なぜこれが私たちに関係ある?】 インフラファンド市場が活性化すれば、私たち個人投資家にとっても魅力的な投資先が増えることになります。さらに、民間資金が再生可能エネルギー分野に流れることで、日本のエネルギー問題や環境問題の解決にも貢献できるという社会的な意義もあります。

これらの要望は、日本を「国際金融センター」として再び輝かせるための重要なピースです。国内外から人・モノ・カネを呼び込み、経済を強くすることが、最終的には私たち国民一人ひとりの豊かさに繋がっていくのです。

【生活直結】子育て世帯に朗報!生命保険料控除の拡充とその他の見逃せない要望

NISAや暗号資産といった投資の話だけでなく、今回の税制改正要望には、私たちの日常生活やライフプランに直接関わる、非常に身近なテーマも含まれています。特に子育て世帯にとっては見逃せない朗報があります。

子育て支援の追い風!生命保険料控除の拡充が「恒久化」へ

今回の要望の中でも、特に多くの家庭に関わるのが「生命保険料控除制度の拡充の恒久化」です

  • 【どういう制度?】 現在、1年間の時限措置として、「23歳未満の扶養親族(子供など)がいる場合、一般生命保険料に係る所得控除(原則4万円)に2万円の上乗せ」という制度があります 。 これにより、所得税の計算のもとになる所得が少なくなり、結果的に税金の負担が軽くなります。
  • 【どう変わる?】 金融庁は、この子育て支援に繋がる措置を、1年限りのものではなく、ずっと続く「恒久措置」にするよう要望しています 。
  • 【なぜ重要?】 子育て期間中は、親に万が一のことがあった場合のリスクに備えるため、生命保険の必要性が高まります 。 この控除枠が恒久的に拡大されることで、子育て世帯は将来に向けた保障を確保しつつ、毎年の税負担を安定して軽減できるようになります 。これは、家計にとって非常に心強いサポートと言えるでしょう。

まだある!私たちの将来設計に関わる重要な要望

その他にも、私たちの将来設計に関わる、見逃せない要望がいくつか挙げられています。

  • 教育資金一括贈与の非課税措置の延長 祖父母などが孫へ教育資金をまとめて贈与した場合、一定額まで贈与税がかからなくなる制度です。この延長が要望されています。
  • 死亡保険金の相続税非課税限度額の引上げ 遺族が受け取る死亡保険金には、相続税がかからない非課税の枠があります。この枠を引き上げることで、残された家族の生活保障を手厚くすることを目指しています。
  • 企業年金等の積立金に対する特別法人税の課税停止措置の延長 これは少し専門的ですが、私たちの年金(企業年- iDeCoなど)の積立金に課される可能性のある「特別法人税」の課税を、引き続き停止し続けるよう求めるものです。もしこの課税が始まると、私たちの年金の運用利回りが下がってしまうため、この延長は私たちの老後資金を守る上で非常に重要です。

このように、金融庁の税制改正要望は、投資という側面だけでなく、子育て、教育、老後、相続といった、私たちの人生のあらゆるステージに寄り添い、サポートしようという意図が込められています。これらの要望が実現することで、私たちはより安心して将来のライフプランを立てられるようになるでしょう。

まとめ

今回は、金融庁が発表した2026年度の税制改正要望について、投資初心者の方にも分かりやすいように解説してきました。最後に、今回の内容をまとめておきましょう。

今回の税制改正要望のポイント

  • NISAの神進化:未成年への対象拡大 、低リスク商品の追加 、非課税枠の即時復活など 、全世代がより使いやすくなるための「神改正」が提案されました。
  • 暗号資産の夜明け:最大55%の総合課税から、株式などと同じ約20%の申告分離課税への見直しが検討され 、日本での暗号資産投資が本格化する可能性があります。 ビットコインETF承認への期待も高まります 。
  • 国際金融センターへ:海外からの投資を呼び込み 、私たち自身の海外投資も簡単にするための制度改革が進められ 、日本経済全体の活性化を目指します。
  • 生活に密着した支援:子育て世帯に嬉しい生命保険料控除の拡充恒久化など 、私たちの家計やライフプランを直接サポートする要望も盛り込まれています。

今回の金融庁の要望書は、単なる税金の微調整ではありません。これは、国が「資産運用立国」という大きな旗を掲げ、国民一人ひとりが豊かになるための道を具体的に示した「未来への設計図」です。

これまで金融機関を厳しく監督する「番人」のイメージが強かった金融庁が、国民の資産形成を積極的に後押しする「建築家」へと大きく舵を切ったことを、私たちは強く感じます。これは、私たち投資家にとって、間違いなく歓迎すべき大きな変化であり、強い追い風です。

もちろん、これらはまだ「要望」の段階であり、すべてがこの通りに実現するわけではありません。これから与党の税制調査会などで議論され、年末に「税制改正大綱」として正式に決定されます。

しかし、この国の大きな流れは、もはや誰にも止められないでしょう。私たちは、この変化の時代をただ眺めるのではなく、当事者として積極的に関わっていくべきです。

「投資は難しそう」「自分には関係ない」と思っていた方も、ぜひこの機会に、まずはNISA口座を開設してみるなど、小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。

金融庁が描く未来図の中で、主役はまぎれもなく、私たち国民一人ひとりです。この歴史的な転換期に乗り遅れることなく、新しい制度を最大限に活用し、自分自身の力で豊かな未来を築いていきましょう。今後の政府・与党の議論に、大いに期待して注目していきたいですね。

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